キャラクターに見るリアルさのワケ

『PJ ~航空救難団~』第6話 ©テレビ朝日
『PJ ~航空救難団~』第6話 ©テレビ朝日

 ドラマにおいて事件を起こすためにキャラクターの性格をねじ曲げてしまう現象を何度か目にしたことがあるが、こと本作においてはそれがない。学生の中でも、長谷部であれば「それもあり得たかもしれない」というリアルを感じることができる。

 パワハラ疑惑が晴れ、次に教えられるのは人を救うというリアルだ。

「本気で人を救うって何だ。ギリギリの中で戦っていりゃ、ずるくて卑怯な自分も必ず顔を出す。だが、それを否定する必要はねえ。人を救うってのは綺麗事じゃねえんだ」

 PJとして第一線で戦ってきた宇佐美の言葉は学生たちに強く響く。自ら身を持って上から飛び降りようとする宇佐美も世間的に見れば正しい人間ではないし、第三者から見ればパワハラと誤解される言動も実際にある。ただ、それほどまでに人を救うというのは生易しいものではないのだ。救命という唯一の目標のためなら、ときに聖人でなくてもいいというのを破天荒な教官は示してくれているのではないだろうか。

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