息が止まるほどの大迫力で見せたシーンは?

『PJ ~航空救難団~』第6話 ©テレビ朝日
『PJ ~航空救難団~』第6話 ©テレビ朝日

 他方、豪雨による大規模災害の現場では仁科(濱田岳)らが選抜メンバーとして救助にあたる。すると、現場では崩落の危険が迫る中、どこからかかすかな子どもの声が聞こえてくる。しかし、建物の中には偵察の許可が出ていない。

 ただそれでも、目の前の命に対して仁科は誠実だ。それは組織としては正しい判断かどうかはわからないし、学生たちが同じ行動に出れば教官として仁科も叱り飛ばすかもしれない。

 だが、繰り返すように人を救うというのはそれほど重く、困難なものなのだ。ずるくて卑怯でも最後までもがき苦しんだ者のみに奇跡を起こす資格があるのではないか。そんな災害現場のリアルを教えてくれているようにも思う。

 その後、轟音とともに崩落し、一気に建物は土砂に飲み込まれていく。巻き込まれていれば、誰であっても無傷でいるのは難しい。人を救って英雄として帰って来る者もいれば、私たちの知り得ないところで命を落としている救難員もいる。そんな現実を示唆するような大迫力の映像に思わず息が止まってしまう。

 だが、命の重みをこれまで以上に知ってしまった学生たちと私たち視聴者は、仁科が亡くなってしまったら正直耐えられる自信がない。これほどのリアルを描いてきたドラマに対して、また一方でフィクションを期待してしまうのはあまりにわがままだろうか。一縷の望みとして、仁科と子供が生還することを願うばかりだ。

【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

TVer(ティーバー)での視聴はこちら。

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