川栄李奈主演のドラマ『ダメマネ！ ーダメなタレント、マネジメントしますー』（日本テレビ系）が現在放送中。本作は、毒舌の新人芸能マネージャーが崖っぷちタレントたちのために奔走する人生リベンジコメディ。今回は、第7話のレビューをお届けする。（文・あまのさき）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】

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道子（川栄李奈）＆真田（山田涼介）カップルがさっそく週刊誌の餌食に…。

　晴れて恋人同士となった隅田川道子（＝神田川美和／川栄李奈）と事務所のトップスター・真田祐士（山田涼介）。外ではイヤフォンで会話しながら距離を開けて歩く。もどかしさもあるだろうが、そんななかにも楽しさを見出せる初々しさがすごくいい。

　その後の水族館を貸し切ってのデートでは、変装もせず、堂々と手を繋ぐ。そして真田から語られた道子との出会い。2人は出会うべくして出会ったというか、初恋をこんなふうに成就させるという点でも、真田はスターなのだと思わされる。

　普段のおちゃらけた様子は鳴りを潜め、真田は悪夢にうなされるという告白も。正直、彼がどれほどの人気者なのかは、CMがいっぱいある、“朝ドラ”の出演が決まっている、事務所の中にもファンがいる…といった形でしかほぼ描かれていないけれど、この水族館でのシーンで、真田が背負っているものが垣間見えた。

　きっと真田がこれからも走り続けていくためには、道子という存在が必要だ。このまま静かに関係が続いていけばいい…なんて思ったのも束の間、2人の関係はあっさり週刊誌の餌食になってしまう。届けられたゲラを前に激怒するマネージャーの玲子（吉瀬美智子）は、真田の連絡先を消すよう道子に迫る。

　一方の犀川（安田顕）は、なぜか2人の恋を応援しつつ、芸能4部のグラビアアイドル・南（吉田愛理）と“令和のカリスマ”ともてはやされるセレブ彼氏を別れさせ、真田を4部に引き入れるよう道子に指示を出す。

すべては玲子（吉瀬美智子）の計画

　実は、タレントが絡む2つの恋愛は、玲子の計画に利用されていた。

　玲子が誕生日プレゼントとして真田に渡したキーホルダーには盗聴器とGPSがつけられており、そもそも道子との関係は筒抜け。この恋の芽を早々に刈り取るべく、あえて玲子が真田の情報をリークし、南の記事に差し替えさせることで、真田に恩を売ろうとしていたのだった。

　手塩にかけて育ててきたタレントを守るために…という親心といえば聞こえはいいが、「スターはつくるもの」と宣う玲子の行動はその範疇を大きく超えている。もはや真田を監視し、洗脳しようとしているようだった。そして、それこそが本人のためになると思っているのだから質が悪い。

　芸能人の色恋に関してはさまざまな意見がある。個人的には犯罪でない限りプライベートは関係ないのでは？と思ってしまうのだが、事実として、恋愛トラブルによって活躍の場が制限されてきた例はいくつもある。

　そんな現実があるなかで、スキャンダルの片棒を担いでしまっている道子が言うのもちょっと違う気はしたが、「あんたは役者の大事なインプットをすべて奪おうとしてんだよ！」という言葉は、小気味よかった。

　これは果たして、マネージャー・隅田川道子としての言葉か、それとも、役者・神田川美和としての言葉だろうか。

山田涼介が見せるスターの苦悩

　結果的に、真田は玲子と袂を分かつことになる。信頼して二人三脚でやってきた人とこんな形で離れるというのは、どれほど辛いことだろう。

　本作では3枚目的な芝居が多かった山田涼介が見せるスターの苦悩は、本人とダブって余計に真実味を増す。視聴している山田ファンのなかには、真田として吐露する心情を聞くのが辛かった方もいたのではないだろうか。

　だからこそ、4部所属の俳優・後藤沙紀（富田望生）がファン代表として「幸せになってほしい」と伝えてくれたのは救いだった。きっとあれは、多くのファンの本音だと思うから。

「真田を芸能4部に」という犀川の指示も、このままいけば実現できるかに思えたが、あろうことか犀川は記者の水島（岩崎う大）に、道子と真田の恋愛関係を認め、さらに道子が美和であることを明かす。世間の目から隠れてきた神田川美和が、ついに人々の前にさらされる。終盤を迎え、物語が大きく動き出しそうだ。

【著者プロフィール：あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

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