ドラマ『あなたを奪ったその日から』オーディションを勝ち抜いた期待の14歳、一色香澄の素顔とは? 単独インタビュー

text by あさかしき

ドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)が現在放送中。食品事故で子どもを失った母親が、事故を起こした男の娘を誘拐してしまうサスペンス作品だ。今回は、誘拐され成長した娘・中越美海(/結城萌子)役を演じる、一色香澄さんにインタビューを敢行。佳境を迎える本作についてお話を伺った。(取材・文:あさかしき)

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「このまま私が準備してきたものを演っても勝てない」

オーディションでの挑戦

一色香澄 写真:武馬怜子
一色香澄 写真:武馬怜子

―――『あなたを奪ったその日から』、毎週楽しく拝見しています。中越美海(/結城萌子)役は、オーディションで決まったそうですが、どんなことを意識して挑まれましたか?

「美海ちゃんはすごく元気で天真爛漫な女の子です。その人柄がドラマでもとても重要なので、キャラクターを大事にしたいと思っていました。ただ、明るい役を演じることに少し苦手意識があったというか、私自身も明るい方ではあるんですけど、美海ちゃんほどではないので、自分なりの最大限の明るさを出そうと、テンションの上げ方は意識しました」

―――ちなみに、お小遣いの前借りをお願いするシーンで「土下座」をしたのは一色さんだけだったとお聞きしました。

「最初はやる予定はなかったんですけど、6~7人のグループオーディションで、私より前の順番の子がすごく明るくて面白い美海ちゃんを演じていたんです。だから、このまま私が準備してきたものを演っても勝てない、この子より面白くするにはどうすればいいだろう?と考えて、監督からも『もっと必死さを出していい』と言われたので、やってみました。ここまでやって大丈夫かな?と不安まじりでしたが、監督やプロデューサーさんがすごく笑ってくださって、安心しました」

―――お話がシリアスな展開続きの中で、美海ちゃんが登場するとパッと画面が明るくなるのを、イチ視聴者として感じています。台本をお読みになって、この作品についてどんな印象を持たれましたか?

「台本をいただいてから1日で最終話まで一気に読んでしまったくらい、とにかく先が気になる展開で、それだけじゃなくてこの作品は、登場人物一人ひとりに『誰かを思う気持ち』があって、それに触れてとても感動しました。今仰っていただいたように、シリアスなシーンが続く中でも美海ちゃんが登場することによって明るくなる役どころなので、明るく元気な美海ちゃんを演じるのが楽しみだなっていう気持ちと同時に、私で大丈夫かな?という不安やプレッシャーは少しありました」

「北川景子さんは『最強』」

一色香澄 写真:武馬怜子
一色香澄 写真:武馬怜子

―――プレッシャーも感じたとのことですが、撮影現場で苦労されたところはありましたか?

「北川景子さん演じる紘海さんが本当のお母さんではないと知った時の、美海ちゃんの気持ちを想像するのはすごく大変でした。観る側としても、この二人はこの後どうなるんだろうとか、この生活を続けていけるのかなっていう疑問も生まれるとても重要な場面なので、そういうシーンは大事に演じたいなって思います。ただ、美海ちゃん自身は、すごく明るくて元気な子なので、役として現場にいるだけで楽しかったです」

―――主演の北川景子さんとのやり取りが一番多いかと思いますが、一色さんから見て北川さんのご印象を教えてください。

「もちろんすごく綺麗な方で、いつも惚れ惚れしていたんですけど、空き時間にスタッフさんとお話しされている時にツッコミを入れてたり、意外な面白い一面も持たれている方で、なんというか『最強だな』という感じです(笑)」

―――現場では、北川さんとどんなお話をされたんですか?

「5話でお隣の初芽ちゃん(小川李奈)と一緒にお好み焼きをするシーンがあるんですが、『お好み焼きは関西風と広島風どっちが好き?』みたいな雑談から、お芝居のアドバイスをいただくこともありました」

―――ちなみに、一色さんはどちらがお好きなんですか?

「私は広島風です。父が休日によく作ってくれるので、大好きです(笑)」

―――素敵なお父様ですね(笑)。脇道に逸れてしまいましたが、北川さんとのやりとりも含めて、現場で学びになったことを教えていただけますか?

「北川さんはもちろん、出演者の皆さんから役への向き合い方を学ばせていただきました。私も自分なりに準備してきたつもりだったのですが、皆さんそれ以上のものを持ってきていて、まだまだ準備はできるんだなと、改めて感じました。役作りはもっと意識していかなきゃと思っています」

―――本作もいよいよクライマックスに突入します。視聴者の方にメッセージをお願いします。

「美海ちゃんとお母さんのこれからの未来がどうなるか、皆さんもすごく気になると思います。それぞれが相手を思う気持ち、血は繋がっていなくても長年積み重ねた時間が愛情を育むことに感動しますし、心に何か残るものがあると思うので、ぜひ最後まで温かく見守っていただけたら嬉しいです」

「メイク研究会を一人で開いてます(笑)」

一色香澄 写真:武馬怜子
一色香澄 写真:武馬怜子

―――一色さんご自身についてもお聞きしたいと思います。演じられている美海ちゃんは “鉄オタ”というキャラクターですが、一色さんが大好きなもの、今ハマっているものはありますか?

「小さい頃からずっとドラマや映画を見ることが大好きです。最近だとメイクにハマっていて、お風呂に入る前にメイクの練習をしてお風呂で落とす、メイク研究会を一人で開いてます(笑)」

―――お友達ともメイクの話はされるんですか?

「一緒に遊んだ時とか、コスメ売り場とかで『これ持ってる?』とか『これって実際どうなの?』みたいな話によくなります。Youtubeでメイク動画もよく見てますね」

―――「映画チャンネル」は、元々映画情報を紹介するメディアでもあります。せっかくのご機会なので、一色さんがお好きな映画を1本、教えていただきたいです。

「小さい頃からずっと繰り返し観ている作品があるんですけど、『オズの魔法使い』(1939)というアメリカのミュージカル映画です。80年以上も前の作品なのに、こんなに素晴らしい映画があることにまず感動しますし、個性豊かなキャラクター同士の掛け合いや、スピーディーな展開で見やすくて、小学校低学年の頃から大好きな作品です」

―――ミュージカルそのものが、お好きなんでしょうか?

「映画や映像では何度か観たことがありますが、生ではまだ観たことがないので、いつか観てみたいです」

―――今後、役者として活躍の幅がさらに広がるかと思います。一色さんが演じてみたい役柄はありますか?

「私は、滝藤賢一さんが出演されている『探偵が早すぎる』(読売テレビ・日本テレビ系)というドラマが大好きで、滝藤さんの演じる面白い役にとてもハマったので、私もいつかコメディ作品に挑戦してみたいです」

―――今回は、全体的にシリアスな作品ですから、今度はコメディ路線に振り切った作品での一色さんも是非見てみたいです。ありがとうございました。

(取材・文:あさかしき)

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【了】

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