當真あみ「“奇跡の出会い”を描いています」ドラマ版キャストたちが意気込みを語る。『ちはやふる-めぐり-』制作発表レポート

text by 浜瀬将樹

當真あみが主演を務めるドラマ『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)が、7月9日(水)22時よりスタート。13日(金)には制作発表会見が行われ、當真、原菜乃華、齋藤潤、藤原大祐、山時聡真、大西利空、嵐莉菜、坂元愛登、高村佳偉人、上白石萌音が登壇した。(取材・文:浜瀬将樹)

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青春は学生だけのものではない

上白石萌音
上白石萌音 写真:浜瀬将樹

 過去に映画化もされた、累計発行部数2900万部越えの大ヒット漫画をドラマ化。本作は、競技かるたに青春をかける高校生たちの姿を描いた“映画版”から10年後の世界を、原作者・末次由紀先生と共に描くオリジナルストーリーである。

 當真は、主人公で梅園高校2年生の幽霊部員・藍沢めぐるを、上白石は映画版から続投となり、梅園高校の非常勤講師でかるた部顧問の大江奏を演じる。

 本作への出演について上白石は「“10年がもう経ったのか”という感慨深さもありましたし、嬉しさもありましたが、“しっかりバトンを繋がなくてはいけない”というプレッシャーと責任も大きく感じました。でも、何よりも生徒の皆さんとお会いするのをとても楽しみにしながらクランクインを待っていました」と回顧。

「撮影を通して一番感じたのが『青春は学生だけのものではないな』ということでした。高校生たちの青春を描いたドラマではありますが、私にとってもこの撮影期間は紛れもなく青春で、年齢ではなく、心の持ちようで、何歳になっても青春ができるメッセージも含んでいる作品だと思います。魅力的な大人もたくさん出てきますので、いろいろな観点から、いろんな年齢の方に楽しんでいただけるドラマです」とおすすめした。

見る側から、演じる側へ――。

當真あみ
當真あみ 写真:浜瀬将樹

 一方、當真は「もともと『ちはやふる』を見る側だった自分がこの作品に携わることができて、最初は嬉しい気持ちもあったのですが、ファンの方がたくさんいる作品なので、不安な気持ちもありました。でも、私がこの作品を見て抱いた“眩しいな”と思うところや、青春に憧れた気持ちを、今度は自分が演じる側として届けられたらなと思いました」と力強く述べた。

 初共演でふたりのシーンが多かったという上白石と當真。お互いの印象を訊ねられると、當真は「心の中で“奏ちゃんだ!”と思いました。ただ上白石さんとお会いするのではなく、『ちはやふる』という作品の中で上白石さんとお会いすると考えたときに、一番にそう思いました」と振り返る。

 また、上白石の思いやりにも感動したようで「本当に素敵な方で、撮影が始まって最初のころ、梅園のメンバーに近江神宮のお守りをくださったんです。すごく勇気をいただきました」と回顧。

 壇上には、瑞沢高校競技かるた部・月浦凪役の原、折江懸心役の藤原、北央学園競技かるた部・奥山翔役の大西もいたことから、上白石は「梅園限定でした……。ごめんね!」と謝罪し、会場の笑いを誘った。當真は「最初は梅園メンバーでの撮影が多かったんです」とフォローした。

 上白石は、當真の印象について「お会いする前と第一印象は“なんて可愛い人なんだろう”だったのですが、あみちゃんのことを知って、現場での姿を見て、今あみちゃんに抱く印象は“かっこいい人”です。自分のすべきこと、自分ができることが分かっていて、そこに向かって粛々と計画を立てて努力を積み重ねられる人。このかっこいい座長のもと、みんなで“素敵だな”と思いながら一緒に頑張った日々でした」と明かした。

原菜乃華「お芝居にできるだけ“千早っぽさ”を取り入れられるように」

當真あみ、原菜乃華、藤原大祐(後列)嵐莉菜
(左から)當真あみ、原菜乃華、藤原大祐(後列)嵐莉菜。写真:浜瀬将樹

 他のキャストも、それぞれ役づくりについて語る一幕があった。めぐるのライバル役となる原は、前作の主人公・綾瀬千早(広瀬すず)に憧れてかるたを始めたことから「お芝居にできるだけ“千早っぽさ”を取り入れられるように、とにかく前作の映画を見ました。かるたを取るときの仕草、ダイナミックさなど、練習の時点から役柄も合わせていろいろ考えながら作っていったので、そこは難しくもあり、楽しかったですね」と語る。

 高校生ナンバーワンの折江を演じる藤原は“最強感”を出すよう心がけたとし、茶室も借りて猛練習したという。梅園高校競技かるた部の白野風希役・齋藤潤は「本当に早いんですよ」と藤原のスピードを絶賛。「懸心と対峙したときに、このままでは勝てないなと感じた」と当時の心境を述べた。

 本作の見どころとして、當真は「『ちはやふる-めぐり-』は、居場所のなさを感じている高校生たちの物語でもあって…。生きづらさを感じている彼らが、生きる道を探して、青春にどうにかたどり着こうともがいているなか、かるたや大江先生と出会う“奇跡の出会い”を描いています。それぞれ置かれている立場が、いわゆる“主人公”というよりは、そうではないキャラクターが多い。でもそんな彼らでも、自分たちの力でどうにか手繰り寄せようとする姿に、私は本を読んで、みんなのお芝居を見て、ジーンと来るものがあったので、その姿を画面を通して見ていただけたらなと思います」と語っていた。

【著者プロフィール:浜瀬将樹】

1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。

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【了】

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