成田凌“快”と“将軍”が可愛すぎる…飼い主と犬のもどかしい距離感とは? ドラマ『初恋DOGs』第2話考察&感想【ネタバレ】

text by あまのさき

清原果耶主演のドラマ『初恋DOGS』(TBS系)が放送中だ。TBSが韓国の制作会社STUDIO DRAGONと初タッグを組んだ本作は、愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせ大人3人の国を越えたラブストーリー。今回は、第2話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】

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何が何でも愛犬を取り戻したいウ・ソハ(ナ・イヌ)

『初恋DOGs』第2話 ©TBS
『初恋DOGs』第2話 ©TBS

 白崎快(成田凌)が保護していた“将軍”を、「奪う」と宣言した韓国屈指の大企業の御曹司であるウ・ソハ(ナ・イヌ)。将軍はもともと彼の祖母の愛犬・ロッキーで、日本旅行の際にはぐれてしまったという。ソハからはロッキーを返してもらうためなら、望むだけのお金を払うという驚きの提案まで飛び出す。

 実はロッキーは「負担付遺贈」という、財産を譲る代わりに引き取って面倒を見る対象となっていた。その額、なんと50億円。

 しかし、動物たちのことを大事に思う快は、そんなことではなびかない。将軍の帰る場所の環境を気にし、元の飼い主さんと面会をすることを希望する。

 一筋縄ではいかなそうな快より先に、ソハは花村愛子(清原果耶)を“落とす”ことに決めた。愛子の所属する弁護士事務所を訪れたソハを、所長の本澤(岸谷五朗)は喜んで迎え入れ、相談係として愛子を指名。2人は横浜へドライブに出かけることに。

 本来であれば愛子の信頼を得ることが目的のはずだったが、御曹司ゆえ常に誰かの視線を意識していなければならない韓国とは打って変わって伸び伸びと過ごせる環境と、御曹司を前にしても媚びを売らない愛子に、むしろソハの心がほどけていく。

三角関係が目前に迫る

『初恋DOGs』第2話 ©TBS
『初恋DOGs』第2話 ©TBS

 愛子の前で自然体に過ごしながら「変な子。おまけに勘が鋭い」と評するソハと、ソハのことを「わかりやすくていいですね、白崎さんとは大違い」と評する愛子。切なさをはらんだ三角関係のはじまりは、もう目前まで迫っている。

 飼い主との面会を条件に将軍をソハに返すことを決めた快だったが、将軍はその空気を敏感に感じ取っていたのだろう。快が本を読んでいる隙に数歩近づき、目が合うと立ち止まりを繰り返す。2人の距離感と関係性が、もどかしくもかわいらしい。

 そして、やってきた面会日だったが、ソハの祖母の姿はそこにはない。それでも話を進めようとするソハや本澤だったが、愛子はそれを制し、すでに祖母が亡くなっている可能性を指摘した。

 どうやらこれが図星のようで、腹の内を見せない相手を前に、「将軍は渡さない」と快は宣言する。ソハたちにとっては50億円の犬であっても、快にとって将軍は「ただの犬」で、「お預かりした命」。飼い主と会いたいというたったひとつの条件さえ煙に巻こうとされたのだから、当然だろう。

愛子(清原果耶)の奥に眠っていた感情が動き出す

『初恋DOGs』第2話 ©TBS
『初恋DOGs』第2話 ©TBS

 将軍を巡る快とソハの攻防が決定的になった矢先、さらなる驚きの事実が明らかになる。

 実は愛子と快は初対面ではなく、小学生のころ、河原で一緒に捨て犬を育てていたという過去があった。快が引っ越しをしてしまったことで、以降会うことはなかったそうなのだが、愛子は快の名前を覚えていて、偶然再会するに至った。

 強固な運命を感じてしまうのだが、その話を聞いたソハに「それは初恋」と言われて驚いた様子を見せる愛子。恋愛は錯覚だと考える愛子の奥に眠っていた感情を、彼女はどう扱っていくことになるのだろう。

 そして、このことで合点がいったのが愛子の快に対する反応だ。理性的な愛子が、第1話で「いい飼い主です」と言われて涙を流したのは、愛犬・サクラの無事に安堵したという状況が輪をかけたというのもあっただろうが、快が何よりも動物を大事にする人だということをよく知っていたのだと思うと、より納得感が強まる。

 また、2話では将軍をソハに返すと言い出した快に、詳しい理由を聞こうともせず「あなたの状況(動物病院の経営が苦しい)はわかります」と繰り返して、多くを語らせようとしなかった。相手の話を聞かずに決めつけるなんて愛子の嫌がりそうなことなのに、と違和感があったのだが、動物愛の強かったはずの快が変わってしまったようで、それを目の当たりにするのが怖かったのだとすれば納得だ。

物語の進行と共に浮き彫りになる疑問点

『初恋DOGs』第2話 ©TBS
『初恋DOGs』第2話 ©TBS

 肝心なのは、快が愛子を覚えているかどうか。

 しゃっくりが止まらなくなった愛子に、快は昔、愛子が快にしたのと同じやり方でしゃっくりを止める。ということは、快にも当時の記憶が残っているということだ。愛子と一緒で勘が鋭い快のことだから、当たり前に覚えていて、あえてそのことを言い出していないのではないかとも考えられるが、果たして。

 犬が運んできたのは、シングルライフでも新しい出会いでもなく、初恋だった。なるほど、タイトルが鮮やかに回収されたわけだが、そもそも将軍はなぜ日本旅行の際に飼い主のもとから逃げ出してしまったのか。大事な愛犬だったはずなのに、警察への届けも出されていなかったのか。

 そして、快の自宅の窓ガラスが割られ、何者かによって連れ去られてしまったことを匂わせて幕を閉じたが、将軍は無事なのか――。三角関係の進展とともに、気になることが山積みだ。

【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

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