櫻井翔の激闘再び…伏線に考察“占拠シリーズ”の楽しみ方を徹底解説。ドラマ『放送局占拠』第1話考察＆感想レビュー【ネタバレ】

2025/07/15

text by 浜瀬将樹

櫻井翔主演“占拠”シリーズの第3弾『放送局占拠』（日本テレビ系）が放送中だ。警視庁の立てこもり犯罪対策班「BCCT」に出向した武蔵三郎（櫻井）の前に、武装集団が再び襲来。放送局を舞台にしたタイムリミットバトルサスペンスだ。今回は第1話のレビューをお届け。（文・浜瀬将樹）【あらすじキャスト解説考察評価レビュー】

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第3弾は“占拠シリーズ”ビギナーでも楽しめる

　都知事選に立候補した4名が「テレビ日本」のニュース番組に出演する日、「都知事候補4名を殺害する」との脅迫メールが届いた。武蔵たち警視庁立てこもり犯罪対策班「BCCT」は警備に当たるが、武装集団「妖（あやかし）」たちに侵入を許してしまう。放送局は占拠され、テレビ放映でもその様子は流れて……。

　『大病院占拠』（2023年）、『新空港占拠』（2024年）と、これまでの占拠シリーズを観ていなくても、十二分に満足できる構成となっていた本作。ここでは、特にビギナーにおすすめしたい「このドラマをこう見ればより楽しめる」という方法を一部紹介しよう。

　まず気になるのが、武装集団のキャストだろう。回を追うごとに「妖」のメンバーが面を外していくので、どんな俳優が演じているのか楽しみにしておこう。早くも、SNSでは予想合戦が繰り広げられており、自身の見解を発表するユーザーもいる。過去には、面から出る口元で見事に当てた視聴者や、ボイスチェンジャーで声を変えているのにも関わらず、それらをかいくぐって解析し、ピタリと当てる人もいた。

　純粋に楽しみたい人は、詮索せず、余計な情報を入れないことをおすすめする。

伏線に敏感になって物語にダイブ

　本ドラマの魅力のひとつに「考察が楽しめる」というものがある。

　冒頭、武蔵がバスジャック事件に立ち向かうシーンがあった。爆弾が設置されていたバスは爆破されたが、人質は全員無事。バスジャック犯（FUJIWARA・原西孝幸）のみ帰らぬ人となった。過去の占拠シリーズから鑑みても、「妖」の誰かが関わっている（犯人の息子や娘？）か、武蔵の義弟で刑事の伊吹裕志（加藤清史郎）の過去につながる何かがあるなど、伏線になる可能性は高い。

　また、武蔵がテレビ局で発見した“ブラウン管”テレビの山も気になる。複数のテレビ画面に、突然過去に放送されたであろうニュース番組が流れ、人が亡くなったニュースを報じていた。これらは「妖」の身内や本人が関わっている事件ではないか、と推測される。過去の武装集団のメンバーは何かしら世間に訴えたいこと、事件への恨みなどを持っている人物が多かった。今回もその可能性が高いのだ。

　もちろんこうした考察は外れる場合が多く、予想もしなかった大どんでん返しを食らうこともある。伏線に敏感になって考察を楽しんでいると、深くドラマの世界観にダイブできるので、ぜひ、いろいろと考えを巡らせながら観ていただきたい。

ツッコミどころもすべて受け入れて楽しむ！

　最後に、本ドラマを100％楽しみたいのであれば、ハラハラドキドキする展開に“全乗っかり”することをおすすめする。ツッコミどころ満載の本作だが、それすらもSNSに書き込んで、お茶の間で喋って、みんなで楽しむ方がいい。

　本ドラマではお馴染みだが、今回も武蔵が爆破に巻き込まれるシーンが何度もあった。前述のバスジャックでは、犯人と対峙した武蔵が乗客を逃したものの、幼い女の子が取り残されていた。その後、追い込まれた犯人がボタンを押して、バスを爆破。だが、武蔵は女の子と共に逃げ出すことができた。“絶対に助からなかったタイミング”だったのに、である。

　また、「妖」の連中とバトルした際、勝つことができた武蔵。しかし、相手が持っていた銃をそのまま放置し、その場から立ち去った。妻や娘と共にいたため、逃げることが先決なのは分かるが、あまりにも無防備すぎる。その後、復活した「妖」のメンバーが武蔵に向けて発砲。近くにいた和泉さくら（ソニン）がかばって、重傷を負った。敵が倒れている間に、銃を奪っておけば、こんなことにはならなかったのに！

　……そう。いちいち引っかかったり、怒ったりしても無意味なのだ。占拠シリーズは、壮大なエンターテインメントとして“全乗っかり”して見るのがいい。それがこのドラマの醍醐味なのだから。