ラウール“カヲル”がホストとして“かりそめの愛”を演じきれないワケ。『愛の、がっこう。』第2話考察＆感想レビュー【ネタバレ】

2025/07/21

text by 於ありさ

木村文乃主演のドラマ『愛の、がっこう。』（フジテレビ系）が放送中だ。木村演じる高校教師と、Snow Man・ラウールが演じる夜の世界でNo.１を目指すホストの、禁断なのに純愛な“愛”の物語。今回は、第2話のレビューをお届け。（文・於ありさ）【あらすじキャスト解説考察評価感想レビュー】

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カヲル（ラウール）の心の内は？

　カヲル（ラウール）という男の心の内が読めない。2話まで放送された段階でのカヲルに対しての印象は、まさにそれだった。

　1話の終わり、カヲルは愛実（木村文乃）のおでこにキスをした。「教師って命懸けだよな」と言い放って。しかし、その直後、カヲルは店に帰り、社長の松浦（沢村一樹）に愛実を「客になりそうな見込みのある女」と伝える。さっきまで、あんなに楽しそうに鷹森大河として愛実と接していたのも、結局は演技だったのだろうか、そう思わされた。

　しかし、2話ではカヲルをもともと指名していた高校生・沢口夏希（早坂美海）がいなくなったことを知ると、沢口を探し出す一幕も。しかも、探し出して、再び客として接するのではなく、「いい大学に受かって金持ちになったら俺の愛を買いに来い」とあくまでも高校生に対する大人の対応をし、去って行った。このシーンから感じたのは、愛実を客として落とすための行動だとしたら、あまりにも遠回りであるということだ。

“かりそめの愛”を演じきれないワケ

　もしも、本当に「客になりそうな見込みのある女」としてお店に呼びたいのなら、何かにつけて電話するなどすればいいものではないか。ここで恩を売ったところで、愛実が客になるとは思えない。そう思ってしまった。

　そして、1話でも思ったことだが、カヲルはいまいち“かりそめの愛”を演じきれていない部分も持っている。それはきっと、カヲルが“自分の全部をかけること”がホストであるというのをポリシーとして置いている人間だからだろう。

　だからこそ、No. 1ホストつばさ（荒井啓志）の太客・宇都宮（吉瀬美智子）とホテルに行った際、カヲルの表情には迷いが現れていた。それは「つばさの指名客と寝てもいいのか」ということよりも「ホストとして客をゲットするために、こんなことまでしなくてはならないのか」という葛藤も含まれているかのような表情。

　その迷いを宇都宮が「おばさんに抱かれるのが嫌なのか」と捉えてしまったが故に、カヲルは宇都宮からワインをかけられ、叱責され、部屋を出て行かれてしまうというオチに。ここでも、カヲルが決してホストとして大成するために“近道”をできるタイプの人間ではない、と思わせてしまった。