ともさかりえが“土9”に降臨…“占拠”シリーズが人気を集めるワケ。ドラマ『放送局占拠』第3話考察&感想レビュー【ネタバレ】

text by 浜瀬将樹

櫻井翔主演“占拠”シリーズの第3弾『放送局占拠』(日本テレビ系)が放送中だ。警視庁の立てこもり犯罪対策班「BCCT」に出向した武蔵三郎(櫻井)の前に、武装集団が再び襲来。放送局を舞台にしたタイムリミットバトルサスペンスだ。今回は第3話のレビューをお届け。(文・浜瀬将樹)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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ともさかりえが土曜9時に帰ってきた!

『放送局占拠』第3話©日本テレビ
『放送局占拠』第3話©日本テレビ

 今回、武蔵に命じられたのは、都知事候補・三河龍太郎(北代高士)の「隠された闇」を暴くことだった。人質の三河は、アマビエに銃を向けられながら、巨大な「熱湯風呂」の縁につかまる。熱さに耐えつつ、次の生放送開始まで待つしかなかった。

 武蔵たちがいた現場は、三河が代表を務めるサッカースクールの児童・津久見玲央が自ら命を絶った場所だった。その後、調査をするなかでさまざまなことが明らかに。「テレビ日本」では「こっくりさん」が自殺の原因だと報じたが、因果関係はなく、三河のしごきに耐えかねて、この世を去ったことが判明した。

 生放送中、武蔵に正体を突き止められたアマビエはお面を外した。正体は、玲央の母親・津久見沙雪(ともさかりえ)だった……。

 ともさかといえば『金田一少年の事件簿』シリーズの七瀬美雪役、『FiVE』のあさみ役など、日本テレビ土曜9時枠のドラマで、視聴者の印象に残る役を担ってきた俳優である。青春時代、彼女の出演作を観ていた人も多く、SNSでは「衝撃」、「胸熱」といったコメントが。土曜9時に彼女が帰ってきたことに大喜びする人が多くいた。

 本編では、三河に向かって「あの子の苦しみを味わえ!」と銃口を向けるシーンがあった。目を真っ赤にし、唸るような声で想いを吐き出す姿は圧巻で、視聴者からは「迫真の演技に涙」との声も。ともさかの演技に、心を奪われた人が多くいたようだ。

バラエティの拷問装置には意味がある?

『放送局占拠』第3話©日本テレビ
『放送局占拠』第3話©日本テレビ

 今回の拷問装置は、三河の「熱湯風呂」のほかにも、落下すると70キロの重りが入ったタライが頭に直撃する「タライ落とし」も登場。次回予告では「クリーム砲」も使われていた。

 第3話で明らかになったことがある。それは、三河が「熱湯風呂」の縁を持って耐えているポーズが、しごかれ中の玲央と同じ体勢だった、ということだ。妖たちは無意味に「人質=恨みの対象」に対して拷問をしているわけではない。ユニークな装置を使って、笑いものにしようとしているわけでもない。何かしらの意図があって、拷問装置を使っているのだ。

 このことから、現・都知事の大芝三四郎(真山章志)に設置された「タライ落とし」が、彼の闇と関連していると推測できる。果たしてどうリンクしてくるのか?

 また、こっくりさんの件で誤報した「テレビ日本」の存在も気になるところ。今後、妖が同局をターゲットにした理由も明らかになるはずだ。

本気だから面白い…俳優の演技

『放送局占拠』第3話©日本テレビ
『放送局占拠』第3話©日本テレビ

 『放送局占拠』は、『大病院占拠』(2023年)、『新空港占拠』(2024年)と続く人気シリーズである。なぜここまで人気なのだろうか。

 お面でキャストを隠す、目を引くド派手な展開、張り巡らされた伏線、キャストに関する小ネタなど、さまざまな要因はあるだろうが、やはり俳優たちの力も大きいように思う。

 今回で言えば、奄美大智(戸次重幸)ら人質が局内で逃走した際、目の前で爆弾が爆発したのに全員が無事だったこと、過去に何度も危険な目に遭った武蔵が、簡単に部屋に閉じ込められたことなど、いわゆる「ツッコミどころ」は少なくない。

 そんな世界観に、俳優たちが本気で飛び込み、本気でキャラクターを演じているところに、この物語の真髄が詰まっている。本作には、あからさまなアドリブパートやメタ発言がない。キャストが本気で演じているからこそ「ギャップ」や「おかしみ」が生まれ、視聴者はツッコミを入れながら“占拠”シリーズの世界観に没入できる。

 SNSが当たり前となり、リアリティを求める視聴者の声が可視化されるなか、その真逆を走る本作。一度この世界に入ってしまったら抜け出せない。恋愛ドラマでも、お仕事ドラマでもない、エンターテインメントを全身に浴びる「沼ドラマ」として、今後も人気を獲得していくことだろう。

【著者プロフィール:浜瀬将樹】

1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。

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【了】

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