髙橋海人”才木”の私服姿に仰天? 中村倫也の「迫真の芝居」が冴えわたったワケ。ドラマ『DOPE』第5話考察&感想【ネタバレ】
髙橋海人と中村倫也がW主演のドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)が放送中だ。正反対バディが新型ドラッグ【DOPE】によって巻き起こる不可解な事件の解決に挑む、新時代の麻取アクション・エンターテインメント。今回は第5話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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物語が加速しそうな気配が漂う第5話
TBS系金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第5話では過去の因縁が明らかになったり、異能力が発現したり、新たな組織が現れたりと、要素が一気にずらりと並べられ、中盤戦に入って物語が加速しそうな気配をぷんぷんと漂わせた。
「どうなってしまうんだ」と狼狽する前に触れたいのは、ぷっと思わず吹き出してしまうようなシーンの数々だ。まずは特捜課によるナイトクラブの潜入。各々が勝手な人物像になりきって潜入する中、才木(髙橋海人)はなぜか上下ヒョウ柄のスウェットでクラブへ。しかも、学生時代から着ていた自前の私服だという。
こういったコメディリリーフはドラマでよくある流れなのだが、陣内(中村倫也)がしっかりとツッコみきっているのが面白い。陣内は「キャッツ」と称しながら、「チェックする側のセンスも死んでるんだ」と手厳しい。モニタリングする葛城(三浦誠己)に向けて「彼は被害者ですよあれ。あんまりだ!」と妙に真に迫った表情で問い詰めるのは、中村倫也の演技力の無駄遣いと言いたくなる。もちろん、褒め言葉だ。
ナイトクラブでは、3人がかりにあっさりとのされてしまった才木。元々格闘訓練を苦手としていたようで、早速綿貫(新木優子)とのトレーニングに励む。「本気で来ていいよ」に対してノータイムで「さっきからずっと本気です」と才木が返すのはその絶妙な間もあってくすりと来る。直後に陣内が言い放つ「のびしろですね」も相まって、妙な“お笑い色”が癖になるシーンが続いた。
重要な事実が一気に明らかに
前段はここまでにしておいて、第5話で一気に明らかになった重要な事実は複数ある。ひとつは椿管理官(忍成修吾)の死の真相。ビルから飛び降りた自殺とみられていたが、実際は本郷(佐野和真)に脅されて転落した他殺だった。
しかも、巡査部長の戸倉(小池徹平)は真相を知りながら黙認している様子で、物語のキーとなりそうな「5億円事件」と関与している可能性も否定できない。陣内と戸倉は同期で親友でもあるが、今後大きく対立していく(視聴者にとって)つらい展開も予期できてしまう。
また、ジウ(井浦新)の下で不穏に動く泉ルカ(久間田琳加)の過去も明らかに。彼女は元特捜課で、綿貫の直属の後輩だった。パワハラを訴えて特捜課を辞めていたが、綿貫の前に再び姿を現す。
綿貫の口ぶりからして特捜課時代は異能力を持っていなかったようだが、今は対象者に手を触れると何かを読み取るという能力を手にしている様子。これまでジウと陣内の会話や因縁ばかりに目が行きがちだったが、意外にも泉が大きな戦いの引き金を引くことになるかもしれない。
「未来予知」が消えかかる…。
そして、才木の妹・結衣(蒼戸虹子)の「時間停止」という異能力の発現と、才木自身の「未来予知」が消えかかっているのは今後の展開に直接的な影響を与えるだろう。結衣の「時間停止」という強力な異能力は新たに謎の組織たちを呼び寄せるきっかけとなってしまっており、その一方で才木は新たな異能力に目覚める前兆を見せているのかもしれない。
異能力という個性とどう向き合うのかも作品全体の大きなテーマに含まれているだけに、望まず能力を手にした結衣、そして「未来予知」に関しては消えかかっている才木が自分の中でどのように折り合いをつけていくかも見逃せない。
これまで特捜課と警視庁、犯罪シンジゲート白鴉の三つ巴に近い構図に見えていたが、第5話から異能力ハンターや「バイオエイル遺伝子研究所」といった組織が登場し、いよいよ今後の展開を予測することはできない。
陣内との一瞬の交戦により、ジウが尋常ではない強さであることも示唆されており、バトル的な意味合いでも楽しみは尽きない。誰が敵で、誰が味方か……過去の遺恨や異能力の発現・消失などから想像するだけでこの1週間はあっという間に過ぎ去ってしまいそうだ。
【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
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