成田凌”快”の素直さに、ナ・イヌ“ソハ”の告白…三角関係に期待が高まるワケ。『初恋DOGs』第6話考察&感想【ネタバレ】

text by あまのさき

清原果耶主演のドラマ『初恋DOGs』(TBS系)が放送中だ。TBSが韓国の制作会社STUDIO DRAGONと初タッグを組んだ本作は、愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせ大人3人の国を越えたラブストーリー。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】

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快(成田凌)の態度がつれないワケ

『初恋DOGs』第6話 ©TBS
『初恋DOGs』第6話 ©TBS

「私の初恋は白崎さんです」という、愛子(清原果耶)らしからぬ告白をしてみせたものの、当の快(成田凌)は「特別です」と言いながら、「“ドラ子”として」「将軍とサクラの飼い主として」などといまいちつれない態度だ。

 実際、鈍感な快はただ愛子の真意を測りかねていただけ。あれはなんだったのだと悶々としながら、ソハ(ナ・イヌ)が用意していたスイカジュースを一気飲みしたり、病院に出勤すればぼーっとした様子で普段やらないような雑用をこなしたりする。

 すっかりフラれたと判断し後悔する愛子に助け舟を出したのはソハだ。快のような人には、もっとはっきり言わなければ伝わらない、とアドバイスをする。韓国語なら「サランヘヨ」、英語なら「I love you」、日本語には好意を表す表現がたくさんあるけれど、「好き」。

 しかし、このままソハを2人の背中を押すだけの役回りにはさせまいとばかりに、韓国からソハの姉・ソヨン(ハン・ジウン)が颯爽と登場して、3人の関係をかき乱す。

 ソースのついた快の口元を拭いてあげたり、一緒に食事をして明らかなアプローチを仕掛けたりと、快にちょっかいを出すソヨン。行動の理由が気になるところだが、50億という大金をちらつかされても将軍を断固手放さなかった快に興味を持つのは当然だろう。そして、“恋愛強者”のソヨンにとって、自分になびかない存在というのもまた珍しかったはずだ。いわゆる“おもしれー男”といったところか。

ソヨン(ハン・ジウン)の登場で三角関係にも影響

『初恋DOGs』第6話 ©TBS
『初恋DOGs』第6話 ©TBS

 同時にソヨンは、ソハが愛子に好意を抱いていることも察する。冷え切った家族だと思っていたので、愛子への気持ちを何度も何度も確認したり、「一緒に帰ろう」とソハを説得したりするソヨンの態度は少し意外だった。ソハは損得ばかりの自身の家族を否定したが、ソヨンの言う通り「結局家族」なのだなと実感する。根底に、まったく愛情がないわけではなさそうだ。

 結局、ソハが日本に残る意思を変えることはなかった。自分の力で生活をすることもそうだが、きっとここまで自分の気持ちを押し通すことも、これまでのソハだったらあまりなかったことなのではないだろうか。ソハのことを「変わった」と言い、ソヨンは「正直に」なるようにと繰り返して日本を後にした。

 一方の快は、ソヨンとお酒を酌み交わして泥酔状態になった愛子を家まで送り届ける。いつもはしゃんとしている愛子だけに、足元がおぼつかず呂律が回っていない様子が新鮮だ。1人で帰ろうとするのを、快は「見届けます」と後ろをついて歩く。この「見届けます」というのが、なんとも快らしくてよかった。実際にふらふらと歩く愛子をひやひやした様子で見守りながらも、つかず離れずの距離を保つ。

 そんな快を気分よさそうに「影」と呼ぶ愛子は、なんだか子どもみたいで、いつもよりも頬に赤みが差していることも相まってかわいらしい。酔っているとはいえ、これは快に心を許しているからこその行動だろう。

 いつもとはちょっと違う2人の間に流れる穏やかな時間は、快の心もやわらかくしたようで、「“ドラ子”が花村さんでよかった」と愛子に伝える。これもまた回りくどい言い方だし、そもそも愛子は明日になったら忘れてしまうかもしれないが、快が一時でも素直になれたことで、今後の関係性にも変化が出てきそうだ。

ソハ(ナ・イヌ)のストレートな愛の告白

『初恋DOGs』第6話 ©TBS
『初恋DOGs』第6話 ©TBS

 そんな折、快の病院で面倒を見ていたすももが最期のときを迎えようとしていた。人間よりも短い命。いつか別れがくることを頭ではわかっていても、周囲の人間たちはさまざまな感情を抱く。愛子と快は、「自分がさよならするときに待っていてくれる」と信じ、だからこそ「“がんばったよ”って言えるように」と考えていると話す。悲しみを抱えながら力にする、とても素敵な考え方だ。

 ソハが働くドッグカフェ店員の加奈(永瀬莉子)は、最期に大好きと伝えたかったと後悔を口にする。きっとこの思いは、どれだけ寄り添い、伝え続けても満足することはないだろう。それでも、自分の気持ちを見ないようにしてきて、ソヨンからも素直になるように念押しされたソハの心に響いた。

 屋上で眠っていた愛子の隣に座り、韓国語で告白の言葉をつぶやく。愛子が寝ていると思っていたときには「大事」と言ったが、起きていると知るや、改めて「僕は愛子さんが好き」とストレートな言葉を投げかける。日本語だったら好きと言うのがいい、と言っていたソハからの「好き」は、これ以上ない告白だ。

 進みはじめる兆しが見えた愛子と快の関係と、真っすぐな告白の返事が気になる愛子とソハの関係。これまでぼんやりしていたのが、ソヨンの登場をきっかけにトライアングルがくっきりと浮かび上がった。

 果たしてこの先、どんな展開が待ち受けているのか。どうやら裏側で手を組んだらしい学生時代の快の友人である相良(森崎ウィン)と愛子の弁護士事務所の所長・本澤(岸谷五朗)の動きとともに、まだまだ目が離せない。

【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

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【了】

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