まるで現代版“ロミジュリ”…ラウール“カヲル”禁断の愛が加速したワケ。『愛の、がっこう。』第5話考察&感想レビュー【ネタバレ】
木村文乃主演のドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)が放送中だ。木村演じる高校教師と、Snow Man・ラウールが演じる夜の世界でNo.1を目指すホストの、禁断なのに純愛な“愛”の物語。今回は、第5話のレビューをお届け。(文・於ありさ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】
——————————
まるで現代版「ロミオとジュリエット」
物語の終盤に描かれた、学校の門を隔てたまるで現代版ロミオとジュリエットのようなシーンは、今後、テレビにおけるラブストーリーの名場面として残るだろう。5話での2人の関係性はそういうことを考えさせる、綱渡を渡っているような恋模様を感じさせた。
少しずつ相手のことを恋愛対象として見るようになってきている愛実(木村文乃)とカヲル(ラウール)。
カヲルは、前回「終わりにしたい」と告げたものの、今回、娘との関係を止めてほしい、あなたと娘とは生きている世界が違うといった意味のことを愛実の母親・早苗(筒井真理子)から言われた後で「それ、人にはっきり言われると、違う、って言いたくなった」とコメント。
さらに番組の冒頭では、「先生は俺のことが好きなんだよ」「俺もそうだから」と告白。最初こそ、冗談、もしくは営業なのかと思ったが、あの門の前でのシーンを見ると、あながち彼の愛実に対する思いは全くもってないものではないのかもしれないと思った。
愛実(木村文乃)がカヲル(ラウール)に惹かれるワケ
そして、愛実も愛実だ。「終わりにしたい」と告げて去っていくカヲルを「まだあなたに何も教えられてない」と呼び止める、今後も先生と生徒の関係を続け、好意があることは二度と口にしないように、とカヲルには伝えるものの、モノローグでは相反することを言っていた。
「必死で大人の女のふりをした。本音でぶつかってくる彼の言葉をかわすのが精いっぱいだった。私はずるい」と。自分の中にも好意があることに気づいているがゆえに、彼の言葉をはぐらかす。そんな心の内から、確実に愛実の心の中にはカヲルを愛おしく思う気持ちがあるのだろうと感じさせられた。
しかし、なぜ愛実はカヲルに惹かれるのだろう。それは、今ある“こうあるべき”の姿から開放してくれる存在だからなのではないかと感じさせる。
特に愛実が「こうはなりたくない」と思っているのは、1番近くにいる母・早苗の存在が影響をしているように思える。愛実と母は決して悪い関係性ではない。早苗が愛実の父・誠治(酒向芳)からモラハラのような扱いを受けていることについても「一緒にいて楽しいことなんてないでしょ?」と言葉を交わしているところから、そのことは見て取れる。
だからこそ、父の言いなりで、専業主婦だからとの理由で逆らえない早苗を見るに耐えないのだ。愛実自身、ずっと父が描く通りの人生でいいのだろうかと感じていることだろう。
今後キーとなる人物は?
そして、5話を見て早苗も決して今を完璧な幸せだ、とは思えていないことも判明した。愛実からの言葉に対し「大切にしてくれると思ったんだけどな」と結婚前は期待を持っていたことを匂わせたり、カヲルとテキーラを飲み交わすシーンで「昔はよく飲みました。だから、あなたがたがどういう人か娘よりは知っているはずです」と言ったり。決して、今、誠治の言いなりとなっていることが本来の姿ではないようなことも匂わせた。
そういう描写を見てみると、もしかしたら今後、早苗が愛実を解放する未来もなんとなく見えた。表面上は「結婚は結婚」と言い、洋二との縁談を進めることを後推ししているものの、本音では、父に対して不満を持っている自分のようになってほしくない、と娘に助け舟を出す可能性もありそうだなと。
カヲルと愛実、2人の関係を描く上でキーとなる人物は多い。果たして、愛実は親の望む、誰かの考える絵に描いた幸せを選ぶのか、それとも自分自身の心に従うのか。注目だ。
【著者プロフィール:於ありさ】
ライター・インタビュアー。金融機関、編プロでの勤務を経て2018年よりフリーランスに。サンリオ・アイドル・恋愛コンテンツ・ガールズカルチャー・テレビ・ラジオ・お笑い・サッカーが好き。マイメロディに囲まれて暮らしている。
【関連記事】
・【写真】まるで現代版“ロミジュリ”、木村文乃“愛実”とラウール“カヲル”禁断の愛が加速…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『愛の、がっこう。』第5話劇中カット一覧
・ラウールの表情変化から目が離せない…ドラマ『愛の、がっこう。』考察が捗るワケ。第4話考察&感想レビュー
・ラウール“カヲル”の本音とは? サブタイトル「宿題」が深すぎる…『愛の、がっこう。』第3話考察&感想レビュー
【了】