今田美桜主演のNHK朝ドラ『あんぱん』。本作は、漫画家・やなせたかしとその妻・小松暢をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描いた、愛と勇気の物語。さっそく、第97話を振り返ろう。（文・野原まりこ）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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秘書の仕事をクビになったのぶ（今田美桜）は…。

　仕事のスケジュールで埋められた嵩（北村匠海）の黒板を見て、声を弾ませるのぶ（今田美桜）。だが嵩にそんな仕事はなく、ため息をつくばかり。一方、のぶは鉄子（戸田恵子）から、ここにいてもあなたの探しているものは見つからないと、クビを告げられる。

　数日後、のぶは登美子（松嶋菜々子）の家を訪ね、追い返してしまった時の非礼を詫びる。そして、秘書の仕事をクビになったことを打ち明けるのだった。のぶは、登美子にどんな夢を持っているのか尋ねると、亡き清（二宮和也）と、幼い息子2人と夢見るように暮らしていた昔に戻りたいと話す。そして嵩と清と重ねてしまうと、涙ながらにこぼす。だが、見栄っ張りなところは自分に似たと言い、嵩のスケジュールは見栄を張っているのだと見抜き、のぶを安心させるのだった。

　のぶが仕事をクビになるまさかの展開から、思いがけず登美子の心の奥深くまで覗き見ることができた第97話。放送終了後のXには、視聴者による感想が多く寄せられていた。

「いや〜のぶちゃんが解雇されるなんて意外な展開だ」「お互いがお互いの事を思っての隠し事。柳井家ピーンチ！」「本音で話す登美子さんとのぶさんにグッときた」「松嶋さんの演技ホントよい」「松嶋菜々子さんが出てくると場が引き締まるというか特別感が出るというか…本当に素晴らしい」「松嶋菜々子さん極み」「今日はしみじみよかった。」
　
　本作では憎まれ役を演じる松嶋菜々子。しかし、心の内をポロッと見せる姿で視聴者の視線を釘付けにしてしまう。登場人物の一人一人が、予定調和ではない動きをするため感情移入せずにはいられない『あんぱん』。のぶと嵩の今後の展開も気になるところだ。

（文・野原まりこ）

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