年齢を重ねるとともに、周囲が変化していく

シロさんが働いている法律事務所の大先生(高泉淳子)が喫茶店で、ある相談を持ちかける。そろそろ引退を考えているため、同じ法律事務所に務める息子の修先生(チャンカワイ)と一緒に、経営を引き継いでくれないかという内容だった。
さらに「独立の予定は?」「今の彼女との結婚は考えているのか?」 などと、今まではプライベートに触れないようにしていた大先生が、今後のためにも「筧さん(シロさん)の人生設計を教えて欲しい」と言ってきた。
同性愛者と公表していないシロさんは、しどろもどろになりながら「パートナーとの結婚は考えていない。仕事も今のままがいい」と返答する。
それに対し、「要するに責任を負いたくないの?」と、事情を知らない大先生は「若い子みたい」と詰め寄る。それから自宅に帰っても考え込むようになってしまったシロさん。
同じ世代の男性は結婚や役職につくなど、周りは年齢に伴った責任を負うようになってきている。倹約家で将来の事もしっかり考えてるシロさんは立場上、それを伝えることができないもどかしさを感じている。そんなシロさんの姿からは、同性愛者が生活する上での難しさが痛いほど伝わる。