レストラン「K」での刺激的な生活

志尊淳、高橋文哉『フェルマーの料理』©TBS
志尊淳、高橋文哉『フェルマーの料理』©TBS

リッチな部屋に心弾む岳。あらゆるものに目を奪われていると、ソファには朝倉のガールフレンドが下着姿のまま寝ている。それに気づかずにソファに近づき「うわぁ」と腰を抜かす岳。そこに人がいたことだけではなく、これまでの人生では接点がなかったであろう色気の溢れる大人の女性……。

数学に没頭していた岳にとっては、あまりにも刺激が強すぎる。でも、都会での生活、ハイクラスな環境に馴染むのはそう時間はかからないのかもしれない。子犬のような無垢な目の輝き、純粋さはいつまでも失わないで欲しいと、つい保護者目線で見てしまう。

朝倉は岳に「料理人として集中しろ」と言うものの、現状はまだレストラン「K」の見習いにすぎない。まかないでシェフたちを唸らせなければならないという一つ目の関門が待っていた。朝倉は「俺は料理の歴史を分断するつもりだ」「俺以前と、俺以後で」。“俺か俺以外か”有名ホストの名言を彷彿とさせる強靭なメンタルだ。

革命を起こそうとする者は、これほどまでに自信に満ちているのか。ただ、朝倉は天才的であり、一方で計算高いダークな一面を覗かせる。岳に手を差し伸べ、スカウトしたのはいいが、彼の人生を振り回すようなことだけはやめて欲しい。敵か味方か、掴めそうで掴めない朝倉は一体どういう人間なのか。

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