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「多様性を楽しむ方がいい」
作品に込められた日本の未来イメージ

写真:武馬怜子
写真武馬怜子

―――『トキコイ』では登場人物の名前にも意味がありますが、そこで特に気になったのが、未来人の中でもひときわ特徴的なリリリー(演:夏子)です。その由来はなんですか?

「現代に無い名前を考えました。未来って、そっくり現代が未来に塗り替わるイメージというよりは、モザイク状に変わるものだと思います。未来になる部分、現代のままの部分、過去のものが残った部分が混在しているという感じ。

今もそうで、僕は京都に暮らしていて、お城が建ってたり、近代的な建物もあって、車も走ってて、過去と現在と未来がごちゃごちゃになりながら進化していく中で、古風な名前もあれば、すっ飛んだ名前もあって。オノマトペっぽい名前が昔はあまり無かったけど、響きが先にあって漢字を充てる名付け方が近年はあるので、その進化した版だと思っていただければ。

日本て、色んなものが寄せ集まってやってくる国。僕にとっての日本は、美しく整えようがないイメージなんです。言葉にしたって、ひらがな、カタカナ、漢字、数字とか、日本と中国と欧米とか、色んなところから全てものが集まってきてるから、一つの美しい色に整えようとしても難しいというか。

それはモノづくりに通じる。多様性を楽しむ方がいいなと思っているので、あえて美しく整えない方向で未来のイメージを造形しました」

―――番組のエンディングについてお聞きします。『トキコイ』では、エンドロール中に物語の補足になるエピローグが流れます。このような構成にすることは、脚本を書く段階から決められていたのでしょうか?

「これもプロデューサーの岡光寛子さんと相談して、『エンドロールでパトロールした後のアフターエピソードをやれたらいいね』っていう話はあって。監督に相談したら『やりましょう』と。なんならオープニングアニメも作ろうって。

やっぱり作品がリッチになりますよね。オープニングアニメ作って、エンドロールも作って、予告編も作って、そういうことって、無いよりは有る方がやっぱり楽しいし、サービスに溢れていると思います」

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