「泥臭くてもいいから、作品にしがみつく」
市原隼人が役者を続ける理由
―――ドラマでは田胡として人を騙していますが、市原さん自身は騙されやすいタイプですか? それとも騙されない自信はありますか?
「騙されやすいです(笑)。僕はどんな人でも必ずいいところがあると信じているので。母親から教わったのは『人を恨んではいけない』ということ。何か良くないことがあっても『人を恨まず、罪を恨みなさい』と言われてきたので、人を信じ続けたいです。
最初から人を突き放し、信じないなんて自分はありえない。誰でも可能性を持っていると信じたいし、そう思って生きていく方が後悔しないと思うんです」
―――先程、「役者は嘘を演じているから、騙しているようで苦しい」とおっしゃっていましたが、それでも市原さんが役者を続ける理由はなんでしょうか?
「それはもう見てくださる皆様に喜んでいただけるのなら…という気持ちです。 『市原さんの出演作を見て、落ち込んでいた気持ちが払拭できました』『体調が悪いのですが、市原さんの作品を見て元気になりました』などのメッセージをいただくと、もう涙が出るほど嬉しくて。20代前半で、僕は作品を見てくださる方のために頑張らなくてはいけない! と思うようになりました」
―――そのメッセージ、ファンの方はうれしいですね。
「カッコつけず、泥臭くてもいいから、作品にしがみついていこうと思っていますし、皆様の心を動かせる作品に関わっていきたいです」