11話で“夏”にもどかしい気持ちにさせられたワケ
夏は、迷子になった子供を放置することを自身に許さない不器用な優しさを持っているし、常に他者を尊重する姿勢の持ち主でもある。学生時代に付き合っていた彼女との子供を引き取って2人で暮らす。そんなこと、誰もができることではない。それなのに、11話を見終わった後、筆者は夏に対して、失望とまでは言わないまでも、もどかしい気持ちを抱いてしまった。それはなぜだろう。
付き合っていた彼女と別れてまで子供と2人で暮らすという決断は誰にでもできることではないし、その責任感は称えられるべきである。しかし、責任感があるからといって急に父親として成長できるわけではないという残酷な事実がそこにはあった。
最も顕著だったのは海(泉谷星奈)との会話。思い返すと、これまでも夏が会話を不得手とする様子は何度か描かれてきた。
曖昧な返事が多く、ちゃんと腹を割って喋る時も考えすぎてしまうがゆえに言葉をアウトプットするまでに時間がかかる。語彙の選び方もたどたどしいところがあり、子供である海が明らかに理解できないであろう単語を口にする姿も散見された。