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なぜ目黒蓮の演技は視聴者を引き込んだのか? 『海のはじまり』で追求したリアルな芝居の真骨頂とは? 考察&評価

text by 柚月裕実

目黒蓮主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)。本作は、さまざまな親と子のつながりを描いたオリジナルストーリーだ。初回放送から反響を呼び、考察や感想が飛び交う中、最終回もSNSのトレンド1位を獲得して幕を閉じた。本稿では、月9ドラマ初主演&初の父親役に挑戦した目黒の演技を振り返る。(文・柚月裕実)

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【著者プロフィール:柚月裕実】

エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。

初の父親役に挑戦した目黒蓮

『海のはじまり』第12話より ©フジテレビ
『海のはじまり』最終話より ©フジテレビ

 目黒が演じる主人公の月岡夏は、印刷会社で働く28歳。3歳の時に両親が離婚し、母親に引き取られた。母の再婚により、父と3歳下の弟・大和(木戸大聖)がいる4人家族。高校卒業後は都内の大学へ進学。新入生歓迎会で、南雲水季(古川琴音)と出会い、交際へと発展する。

 しかし、大学2年生の冬に突然、水季が一方的に別れを告げ、大学も辞めて夏の前から姿を消してしまう。そこから7年の月日が経ち、水季の病死をきっかけにある事実が発覚する。

 学生時代、水季の妊娠が発覚し、夏と相談した上で中絶することを決めたはずだった。しかし、水季は夏には告げずに産むことを決めた。そして、6歳になる一人娘・海(泉谷星奈)をおいて亡くなってしまう。夏は水季の葬式をきっかけにその事実を知るのだった。

 初回から衝撃的な展開を見せ、SNSでは様々な感想が飛び交った。回を追うごとに登場人物の揺れ動く感情に、同じように葛藤したり、悲しみに暮れたり。教科書のように明確な答えがなく、自分なりの答えを出して生きていかなくてはならない。様々な親と子のつながりや登場人物の心境に触れ、もし自分だったら…と考える度にその難しさを突きつけられた。
 

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