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『潜入兄妹』はスマホ片手に見たい…『ボイス』『占拠』シリーズに通じる視聴者同士で共有する特異性とは? 第1話考察レビュー

text by 浜瀬将樹

竜星涼と八木莉可子がW主演を務める日本テレビの土ドラ10『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系)の第1話が、10月5日(土)に放送。派手なアクションあり、ハラハラする展開あり、と初回からエンジン全開だった本作のレビューをお届けする。(文・浜瀬将樹)。

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【著者プロフィール:浜瀬将樹】

1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。

SNSに想いをぶつけて楽しむエンタメ作品

『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』第1話 ©日本テレビ
『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』第1話 ©日本テレビ

 ドラマはエンターテインメントだ。虚像の世界に深く潜って、いかに楽しむかは視聴者次第。もちろん脚本の出来や演技などで入り込めないこともあるが、基本は「こんなことありえない」なんて思っていると100%楽しめないものである。

 だが、『潜入兄妹』はひと味違う。「こんなことありえないw」とツッコミどころを探し、家族やSNSに共有することで楽しみが倍増する。そうしていくうちに知らぬ間に本作の沼にハマり、毎週観てしまうドラマになるのである。

 第1話を見終えて「あれ…この感覚、前にも味わったことがある」という人もいたことだろう。その感覚は間違っていない。確かにあなたは過去に同じ体験をしているーー。

 本作は、日本最大級の詐欺集団「幻獣」のリーダー鳳凰に父・渡良瀬貴司(半田周平)を殺された兄妹が、復讐を誓うところから始まる物語。このドラマを手がけるのは、唐沢寿明、真木よう子の『ボイス110 緊急指令室』(2019)、櫻井翔主演の『大病院占拠』(2023)、『新空港占拠』(2024、いずれも日本テレビ系)のスタッフで、フォーマットや世界観もよく似ている。思えば、両作品はSNSとの親和性が非常に高く、ツッコミどころもあれば、考察もあれば、ハラハラもできるドラマとして人気を博した。

 現に『潜入兄妹』も、第1話が放送されるやいなや、視聴者から登場人物の行動や展開にツッコミが入ったり、過去シリーズの展開を鑑みて「裏切り者がいるのではないか」と予想する声が相次いだりと、一度掴んだら離さない「視聴者を夢中にさせる要素」が盛りだくさんだった。『ボイス』や『占拠』シリーズと同じく、SNSで思いをぶつけるのにぴったりの作品なのである。

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