ホーム » 投稿 » ドラマ » 伏線が上手すぎる…”日常”から”非日常”へと転落する脚本の巧みさとは? ドラマ『3000万』第2話レビュー » Page 2

大金に狂わされる佐々木家

『3000万』第2話 ©NHK
『3000万』第2話 ©NHK

 お金がなく生活が厳しかった頃は常にギスギスした空気が漂っていた佐々木家。だが、「3000万がある」というだけで心に余裕が生まれ、かつ罪の共有意識がそうさせるのか祐子と義光の夫婦仲は以前よりも良好に。財布の紐も緩み、佐々木家の食卓には朝から高級なマスカットが並ぶ。

 宝くじで1000万円以上が当たると換金の際に銀行から大金に惑わされないための具体的なアドバイスが書かれた冊子が手渡されるというが、それくらいお金は良くも悪くも人を変えてしまうのだ。

 逆もまた然り。もう生き返らないと思っていたソラが意識を取り戻し、祐子は息子の純一(味元耀大)がお金を取ったことを彼女が覚えているのではないかと不安な日々を送る。そんな中、お金で気が大きくなった義光は知り合いの音楽関係者に唆されて高いギターを購入。純一の電子ピアノが壊れて買い替えを検討している時に、この男は…。

 さらには比較的高価で手入れが大変なフライパンをプレゼントしてくる義光に祐子はブチ切れ。腹が立ちすぎて、普段はスルーするようなオムライスをケチャップまみれにする義光の癖にもひとこと言ってやらなきゃ気が済まない様子がリアルでくすっと笑ってしまった。まさかケチャップと鉄のフライパンが伏線とは知らずに。

1 2 3
error: Content is protected !!