ホーム » 投稿 » ドラマ » 初回から衝撃展開…反町隆史の怪演に度肝を抜かれたワケ。『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第1話考察レビュー » Page 2

昭和刑事と令和刑事の凸凹バディ

『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第1話 ©フジテレビ
『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第1話 ©フジテレビ

 第1話でフォーカスされたのは、12年前に起きた女子小学生殺人事件だ。

 容疑者本人からの一通のメールにより、オクラ内は異様な空気に包まれる。当時、捜査員の誰もが容疑者をクロだと睨んでいた。しかし、逮捕できる決定的な証拠がなかったため、お蔵入りに。さっそくオクラのメンバーたちが捜査に向かうのだが、まずはその個性の強さに驚かされる。

 飛鷹は時代遅れといわれる熱血刑事。遺体発見現場の北城山に行くと言いつつ、外出早々に喫茶店でパフェを食べている。と思いきや、強行犯係のエース時代を彷彿とさせる洞察力と行動力で、捜査をぐいぐいと進めていく敏腕っぷり。

 飛鷹を演じる反町は、『相棒』(テレビ朝日系)で7年間刑事役を務めてきた、いわば“刑事役のベテラン”だ。おちゃめさや荒々しさを持ち合わせるふり幅の大きい役柄でもあるが、『相棒』で培ったものを余すことなく発揮した円熟味ある演技に引き込まれる。とくに容疑者に自白を強要するシーンは、生唾を飲み込んでしまうほどの気迫だった。

 一方、不破は冷静かつタイパ思考。娘を殺された母親に対し、「後悔しても生き返るわけじゃない、私にはお子さんの死を免罪符にして甘えているようにしか見えません」と放つ冷酷な一面も。この発言について倫子に叱責されても、「同情なんて捜査に邪魔なだけです」と嫌にドライだ。

 不破を演じる杉野といえば、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』(2021、日本テレビ系)の黒川や『僕の姉ちゃん』(2021、テレ東系)の順平のような真っ直ぐな役柄のイメージが強いが、本作では雰囲気をガラッと変えた落ち着きと重みのある芝居で不破を表現。初めての刑事役ながらも、安定感が抜群だ。

 2人が顔を合わせれば、正反対の性格やジェネレーションギャップにより絶妙に馬が合わない。でも、だからこそ飛鷹のサボりを不破が上司に告げ口するような、シュールで思わずクスッと笑える場面が生まれたりもする。一見バラバラに見えても、実は根っこに共通意識を持っている凸凹バディ。彼らがどんな化学反応を起こしていくのか、今後が楽しみで仕方がない。

1 2 3
error: Content is protected !!