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生徒を一喝する牧野の言葉

『放課後カルテ』第1話©日本テレビ
『放課後カルテ』第1話©日本テレビ

 ゆきのナルコレプシーという睡眠障害は複雑だ。明確な原因は解明されておらず、日中に我慢できないほどの眠気に襲われる睡眠発作や、強い感情に伴って体の力が抜ける情動脱力発作などの症状があり、周囲の人間が理解しないことで、本人がより悩みを深めていくケースも多い。

 クラスメイトも病状を理解しようとせず、心無い言葉を浴びせていたが、牧野は「周囲の人間が病気を理解しないことで、知らず知らずのうちに当人を追い詰める。今、お前たちがやっていることだ」と一喝する。

 厳しい言葉ではあるが、核心を突いており、悪気もなくやっている子供たちの行為を矯正するには十分すぎる威力がある。

 子供は大人の真意を見抜く。小手先で子供の機嫌を取ろうとすると、最初は良くても次第にメッキが剥がれ、最終的に子供たちからの信頼を得ることは難しくなる。

「保健室にはなるべく来るな」というのも健康でいてもらいたい気持ちの裏返しだ。牧野のこれほどドライな振る舞い方は、実際の現場では賛否両論あるだろうが、個人的には好感を持った。

 ドラマ内でも、ゆきは「私を初めて見つけてくれた先生」と心を許しており、今後も少しずつ生徒たちの信用を得ていくことだろう。

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