”最後の後押し”をしてしまった人物は…。
本作のタイトルにある「モンスター」とは誰のことを差すのか、というところに注目してしまう。
まず、事件に関わる人間がモンスターであることは間違いないだろう。
紗江を追い詰めた上司もモンスターだった。しかし、紗江を助けてくれるはずだったカウンセラーの梅本(美波)もまた、モンスターだった。
亡くなった日、紗江は接待に呼び出されていた。逃げたい。そんな思いが彼女を苛む。
そこに梅本から電話がかかってくる。直前まで塩屋と電話をしていたことから、「行きたくない」「遼に会いたい」と吐露するが、電話の相手は梅本だった。梅本は自分を助けてくれる存在、のはず。しかし、梅本がかけた言葉は…。
「大丈夫。紗江さんならがんばれる。がんばってよ」
がんばるという言葉はポジティブなようでいて、残酷な言葉だ。もう十分がんばっているのに、まだがんばれというのか。
その直後、紗江はトラックの前に飛び込んだ…。