ホーム » 投稿 » ドラマ » 窪田正孝の瞳に吸い込まれそう…同じくらい生徒役で頭角を現したのは? NHKドラマ『宙わたる教室』第2話考察レビュー » Page 3

岳人(小林虎之介)の行動で犯人が明らかに

『宙わたる教室』 第2話 ©NHK
『宙わたる教室』 第2話 ©NHK

 本来ならここで主人公が活躍するのが相場だろう。だが、動いたのは岳人だった。昼間の学校に乗り込み、校庭で「おーい、犯人」と大声で呼びかけて見せた。岳人はきっと、偏見によって受ける差別の悔しさや辛さ、諦めを知っている。まさにそれに直面しているアンジェラを放っておけなかったんだろう。岳人の様子を見ていた藤竹が、微笑んでいたのが印象的だった。

 結局、岳人の行動によりペンケースを盗んだ犯人が明らかになり、アンジェラの退学はなくなった。学校生活が続くことで迷惑をかけてしまうと謝ると、アンジェラの娘は「JKを楽しんで」と背中を押す。諦めたものを取り戻すためのギアが、もう一度しっかり踏まれたはずだ。

 藤竹も、アンジェラが戻って来たことを「クラスの大気が安定する」と喜ぶ。その場の空気を温める力が彼女にはあるのだ。失敗続きだった藤竹と岳人の噴火実験も、彼女の一言がきっかけとなってついに成功。知識はあるのに体系立っていない、という藤竹の言う通りだった。そしてきっと、こういうことから人は勉強に興味を持つのだろう。

 実験成功により、瓶から勢いよく噴き出す泡。それを見た岳人は子どもみたいに純粋に、無邪気に喜んでいた。読み書きが苦手だからと投げ出してしまった学生生活を、いままさに岳人は謳歌しているのだ。数秒間の笑顔から、岳人の奥行きを感じて温かい気持ちになった。誰にも奪えないし邪魔できない、かけがえのない時間。一人ひとりの生徒としっかり向き合う藤竹のもとに、次はどんな生徒がやってくるのか楽しみだ。

(文・あまのさき)

【関連記事】
【写真】窪田正孝がイケメンすぎる…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『宙わたる教室』劇中カット一覧
初回から号泣必至…NHKドラマ『宙わたる教室』が他の学園ものと一線を画すワケ。第1話考察レビュー
年間ベスト級の傑作! 窪田正孝×アベノマスクの衝撃…笑いに込められた意味とは? 映画『愛にイナズマ』考察レビュー

1 2 3
error: Content is protected !!