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クズなのに的確…海里(玉森裕太)に惹かれるワケ

『あのクズを殴ってやりたいんだ』第2話 ©TBS
『あのクズを殴ってやりたいんだ』第2話 ©TBS

 ほこ美だって、海里を殴るためにボクシングジムに入会して練習を頑張っているけれど、そんなことではいつまでも海里を忘れることができないと思う。ボクシングを頑張れば頑張るほど、ほこ美は海里の“沼”にハマっていくことになる。

 実際、心底嫌いなら、もう二度と関わりたくないと思うはずだ。それなのに、ほこ美は海里を見かけてストーカーまがいのことをしたり、彼が働くバーに行って文句をつけに言ったりしている。はたから見たら、「もう、好きじゃん」「沼っちゃってるじゃん」と思ってしまうが、ほこ美はまだ気づいていないのだろう。きっと、「嫌いだから、気になるだけ!」と言うはず。

 ただ、海里の発言ってどれも深みがあるからズルい。たとえば、ほこ美を騙そうとしているとき、海里がちょっと引いた瞬間があった。

 それを、ほこ美に問いただされた海里は、「人は、自分から追いかけた方が信じやすいから。実際、そうだったでしょ?」と。これも、あまりにも自信満々で言うものだから、「そんなわけないでしょ!」とあしらってやりたいのに、「確かに、そうです」と納得せざるを得ない。

 クズなのに、的確…いや、むしろここまで人間の心理を理解できているからこそ、大勢の女性をたぶらかすことができるのだろうか。

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