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ほこ美だけが海里の心こじ開ける鍵に?

『あのクズを殴ってやりたいんだ』第2話 ©TBS
『あのクズを殴ってやりたいんだ』第2話 ©TBS

 そして、第2話では海里の過去も少しずつ明らかになってきた。とりあえず、海里はほこ美が通っているボクシングジム・羽根木ジムに所属する選手(?)で、羽根木(渡部篤郎)とゆい(岡崎紗絵)とは深いつながりがあるようだ。

 回想シーンから察するに、海里はボクシングの試合で相手を殺してしまったことがあるっぽい。大東駿介が演じる謎の男性が、その相手のような気がする。毎月、“ヒラヤマミチエ”という人物に振り込んでいる24万円は、その慰謝料だろうか。

 ずっと、志を持ってやってきたボクシングから離れて、バー店員として働くようになったきっかけは、おそらくその事故なのだろう。そのせいで、海里は、自分が“普通”の生活を送るべきではないと思ってしまっているのかもしれない。だからといって、遊びまくっていい…ということにはならないが、誰かを愛したりする資格がないと思っている可能性もある。

 人に深入りをしないように、させないように心を閉ざしてきた海里。そんな彼の心をこじ開けるのは、やっぱりほこ美しかいないような気がする。海里のまわりにいる女性たちはみんな「海里はそういう人だから」と割り切って、遊びの関係に甘んじているが、ほこ美はそれを許さないだろう。海里に面と向かって「クズ!」「最低!」と言えるのも、ほこ美くらいなのではないだろうか。

 第2話のラストでは、変な輩に絡まれたほこ美を、海里が助けてあげるシーンがあった。このときの海里が、本当にカッコ良くて、惚れざるを得ないのでは…(というか、おそらくすでに惚れている?)と思ったが、ほこ美はやっぱり強がってしまう。雨のなか抱き寄せられたとしても、ほこ美は「あんたに胸キュンなんて、してやらないから!」といった感じだが、海里はきっと気づいているはず。自分の沼にハマっていることに。

 そして、海里のほこ美への気持ちにも、ちょっとずつ変化が起きている気がする。第1話で、ほこ美を騙そうと思って言った「こんな子、初めて」という言葉。

 第2話では、ちょっと呆れたように言っており、同じ台詞でもニュアンスによって伝わり方が変わってくるのが面白い。もう、海里はほこ美のことを騙そうとしなくていい。だからこそ、本音で接することができるのではないだろうか。ほこ美よ、海里の曲がってしまった価値観を更生させてくれ! 

(文・菜本かな)

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