「悪女にならざるを得なかった」美羽
物語の後半では、美羽と冬月がついに一夜をともにし、子どもを宿してしまう。それからは怒涛の展開で、アフリカに旅立っていった冬月がテロの犠牲に。
出生前DNA鑑定でお腹の子の父親が冬月とわかっていながら、宏樹に向かって「あなたの子よ」としっかりと口にする美羽の姿。第1話にして最終回並みの濃さをみせる波乱の展開には、感情がぐらぐらと激しく揺さぶられる。
非現実的ではあるものの、他人ごととは思えないし、本当にこんな話がどこかに存在しているのではないか。そう考えてしまう不思議なリアリティが本作にはあって、彼女たちの一挙一動を固唾をのんで見守らずにはいられない。
美羽は一口に悪女といっても、宏樹との関係や冬月への想い、そして“大切な宝物”の存在により、「悪女にならざるを得なかった」女性。これから彼女は、どのように二人と、そして生まれてくる子どもと向き合っていくのだろうか.
(文・西本沙織)
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