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「成長」という概念から外れている鷹野

『無能の鷹』第2話 ©テレビ朝日
『無能の鷹』第2話 ©テレビ朝日

 カタカナ英語を操りまくる若きクセツヨ社長・鬼頭(落合モトキ)と対峙した鷹野は、ただ相手の言葉を発音よく復唱しているだけなのだが、それが思わぬ勘違いを引き起こす。さらには、鬼頭の深読みに次ぐ深読みが連鎖したことにより、契約締結へと至る。

 原作マンガでも鷹野に対する心の声はキーポイントとなっているが、ドラマでも丁寧に鬼頭の心理描写を描いていたことでわかりやすく、かつ表情の動きも豊かですれ違いコントのような面白さを生んでいた。

 もっとも、鳩山が鷹野から手綱を緩めたから成功に至ったかといえば、そうでもない。鷹野はいつもどおり堂々としているだけで、特別なことは何もしておらず、ましてや成長しているわけでもない。鷹野にとっては自分らしくい続けることが仕事となっており、もはや「成長」という概念から外れていると言ってもいい。

 実社会でも、優しすぎる鳩山のような人はいるし、関わるだけ無駄と感じるような鷹野のような人もいる。どのようにするのが最適解かというのは第2話を見てもまだわからない。ただ、社会にはこうした現実があるというただの事実をポップなコメディの中で示していることにドラマとしての小さくない意義を感じた。

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