静と歩の口喧嘩をずっと見ていたい理由
それからはいつもの静だ。マシンガンのように歩の不備を指摘するだけでなく、「不適切で無能なナース」、「馬鹿ナース」とぶつける。さらに、涙したのも花粉アレルギーであるし、黄色いカサブランカの花言葉は「裏切り」だと教えた。ここで、感情の爆発を抑えていた歩も我慢の限界に。怒りでその場を立ち去ってしまった。
このとき、放送が開始されて約6分の出来事である。もうここでガッチリとハートを掴まれてしまった。
人の喧嘩なんて見ていて気持ちが良いものではない。だが、『ザ・トラベルナース』の静と歩の口喧嘩だけは見ていられるし、むしろずっと見ていたい。
天才がベテランに言い負けるというユニークさもあるのだが、どこか静には、人として、ナースとしての歩の成長を願っているのではないか、とすら感じる(ほんの少しだけ)。
ファーストシーズンから見ていた視聴者のなかには、彼らの言い合いを見て「これが見たかったんだよ!」と思った人もいたのではないだろうか? 私もその一人である。