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視聴者が憧れるノエチとなっちゃんの関係

『団地のふたり』第8話 ©NHK
『団地のふたり』第8話 ©NHK

 まず「ノエチとなっちゃんの仲良しぶり」はいい。血縁ではないけれど“友人関係”よりは濃密な関係性に、視聴者から羨望の眼差しが向けられている。保育園から仲良しの関係は、どう足掻いても今から構築できるものではない。買うことはできない宝物だ。

 例えば悪玉コレステロールが増えてしまったなっちゃん。ノエチは異変をすぐに察する。

「なっちゃん、朝の菓子パンやめたんだ? あんなに好きなのに」
「いや~、実はね、こないだ受けた区の健康診断で、悪玉コレステロール値が去年より高
いって警告されて、今、すごく(食事に)気をつけてるところなんだよね」
「なんで隠してんの、そんなこと」
「まだ(言う)時期じゃないかと思って」

 ここ10年間、年齢を問わず女性誌で取り上げられるようになった「友達がいない」というテーマ。就職、結婚、出産などライフスタイルそのものの変化で、友人の数が減ることもあれば、価値観の変化によって単身で生活をすることが普通になった。女性を取り囲む人間関係も過疎化しているということだ。そんな理由から「気の置けない人と話しがしたい」「友達と食事に行きたい」という願望は、女性たちの間で憧憬化している。

 そんな視聴者たちが、このふたりの何気ないシーンたちに癒されているのだ。

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