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あのちゃんの「まいりましょう!」に落ちる

『民王R』第1話©テレビ朝日
『民王R』第1話©テレビ朝日

 いきなりナレーションが、菅田将暉、いや、翔君ではないか! 「みぞうゆう(未曾有)」読みに懐かしさが湧き出る。きっとそのうち伝説の「かぜはやしひやま(風林火山)」も披露してくれるだろう。高橋一生もまた「登山中の貝原」という奇抜な設定で姿を見せてくれた。嬉しい!

 しかし感動ポイントは、そういった前作のツボだけではなかった。

 貝塚から秘書のバトンを渡されたのが、あの演じる冴島優佳。そしてなんと、第1回、新たなテロ勃発にて、泰山と入れ替わるのが彼女なのだ。あのは、専門用語バリバリの秘書用語を「できる風」にまくしたてなければならないうえ、オッサン演技もしなければならない。

 あの舌ったらずな口調が大きな壁になるはず、と身構えていた私だが、まさかの、彼女が登場して最初のシーンですぐ「冴島優佳」として受け入れた。秘書だった。まごうことなき秘書だった…。

「二木先生らと会食。まいりましょう」の「まいりましょう」で完全に陥落した。

「やるじゃねえかよ」泰山のセリフの真似をし、テレビの前でニヒルに笑い、あのちゃんに呟いてしまった。

 入れ替わりのオッサン演技もよかったが、なにより終盤、冴島優佳の姿で発する、政治家への憤りの長ゼリフが素晴らしい。彼女がバラエティなどで見せる、やるせなさや不満と、秘書・冴島の知性と憤怒がリンクし、とても心に響いた。

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