変わらない信念の中で微弱な変化がある
長寿ドラマの醍醐味
また今作では、右京も成長しているのが伝わる。
16年前…S7「最後の砦」では強くて過剰な正義で亀山が右京と距離を取った物語が描かれた。それが今回は、正義は一つであると断言しながらも、それを見失った時の為に“相棒”がいるとも語った。
16年前の杉下右京からは決して出ない言葉であり、これを言わせたのは、神戸尊であり甲斐享であり冠城亘の功績であるとも言える。そして同時に正義は複数あると唱えていた小野田官房長(岸部一徳)との永遠の対立もそこにはある。
変わらない信念の中で微弱な変化があるのが長寿ドラマの醍醐味とも言える。これを描けるのが亀山卒業前のS7から現在まで歴代相棒全員と関わってきた徳永富彦脚本だからこそとも言える。