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一見きつい? 松下洸平”牧野”の「大人げなさ」が子どもたちの信頼を得る理由とは?『放課後カルテ』第3話考察レビュー

text by まっつ

松下洸平主演のドラマ『放課後カルテ』(日本テレビ系)が放送中。本作は、小学校に赴任した口も態度も悪い小児科医が、類稀なる観察眼で児童の異変に気付き、未来へ向かう子どもたちの背中を押す保険室ヒューマンコメディ。今回は第3話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

牧野の”大人げなさ”が信頼を呼ぶ

『放課後カルテ』第3話©日本テレビ
『放課後カルテ』第3話©日本テレビ

「大人げない」ってどういうことかとよく考える。

 子供が大人を責める時などに使われる言葉で、意味を調べると「大人としての思慮分別が欠けていること」とある。

『放課後カルテ』(日本テレビ系)の牧野(松下洸平)は無愛想で、児童からも怖がられるなど大人げない要素も少なくない。だが、その一方で“大人げなさ”が子供からの信頼を得られることもよくわかる。

 牧野(松下洸平)は小児科医で、現在は小学校の保健室の先生として勤務するが、日常的な会話から必要以上に子供目線に合わせることはない。自分の元へ駆け寄ってくる元患者・冴島直明(土屋陽翔)を「走るな」と叱ったり、仕事について「楽しいとか楽しくないとか、そういうものではない」と伝えるなど、小学1年生と話しているとは思えない言葉選びを見せる。

 子供は素直とよく言うが、それ以上に大人の嘘や建前に敏感だと思う。牧野は一見きつい言葉遣いに見えるが、だからこそ子供は牧野から本音を感じることができるのかもしれない。

 大人の嘘のない言葉を信頼し、心を開いていくのは直明だけではなく、姉の冴島啓(岡本望来)も同様である。

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