既存の菜々緒像を逆手に取ったキャラ
菜々緒はこれまで『ファースト・クラス』(2014、フジテレビ系)では計算高く腹黒いファッション雑誌の編集部員・川島レミ絵や、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(2021、TBS系)では周囲に媚びない強い意志を持った看護師・蔵前夏梅など、トゲトゲしたキャラを多く演じてきた。
しかし、今回演じる鷹野はクールビューティーではあるが、悪女や強面では一切ない。とはいえ、鷹野も譲れない強い意志を一応持っている。
1話で鷹野は同期の鶸田道人(塩野瑛久)と営業部の部長・朱雀又一郎(高橋克実)が鷹野をクビにしようと話している現場を目撃する。2人は場所を移し、鶸田から「気にならないの?」と聞かれると、鷹野は「私がこの会社を必要としてるから。だから会社に必要とされてるかは考えないようにしてる」と言い切る。
危機感や向上心、朱雀への復讐心を見せることはなく、ひょうひょうと「会社にしがみついていく」という強い意志を表明した。
あまりに堂々としているが、川島レミ絵や蔵前夏梅みたいなツンケンした雰囲気は皆無。これまでの“菜々緒像”を逆手に取ったようなユニークなキャラであり、そのギャップが加わることで、ただでさえ面白い鷹野というキャラがさらに面白くなっている。