キャラとの年齢差を感じさせない説得力
菜々緒のすごさはそれだけではない。よく「仕事はできるけど部屋の片づけは苦手」「仕事はできないけど世渡り上手」といったギャップを持つキャラはドラマや映画に多く登場しており、そのギャップに可愛らしさや頼もしさを覚えることも少なくない。
ただ、鷹野のそれはギャップとはまた別物のように思う。
「有能感が溢れる立ち振舞い」「ビックリするレベルの無能さ」はいずれも独立しており、「だけど」という接続詞はつかない。有能感と無能さという対極の要素を両立させ、どちらも際立たせなければいけない鷹野という類を見ないキャラを演じ切っている菜々緒の演技力には驚きしかない。
そもそも、鷹野は23歳の新入社員。現在36歳の菜々緒の一回りも年下である。にもかかわらず、菜々緒が演じることに違和感を覚えさせない、年齢のことなど一切気にさせない説得力もすごい。いや、むしろその新入社員離れした貫録が、鷹野の有能感に拍車をかけていると言えるだろう。
あらゆる意味で菜々緒のハマリ役である『無能の鷹』。そんな鷹野の無能ぶり、奇行には今後も大いに笑わせてもらいたい。
(文・望月悠木)
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