上司として対極な坂本と奥島
現実でも今、闇バイトによる強盗が相次いでいるが、高山や長田のように普通の若者がお金欲しさに犯罪に手を染めてしまうという状況がある。薬物に手を出したシンも、3000万に目が眩んだ祐子や義光もそう。
人間はどれだけ普段真面目に生きていても、魔が差してしまう瞬間があるのだ。それを奥島は痛いほどわかっているからこそ、罪を犯した人間に対して“犯罪者”ではなく“人”として接しているのではないだろうか。そういう寄り添う気持ちがあるから、高山の時みたいに自白もうまく引き出せる。
怒りで人を従わせる坂本とは正反対のやり方だ。余談だが、2人きりにならないように、わざわざ義光がいる時に野崎を呼んでいるところも理想の上司としてポイントが高い。
そんな奥島に対する野崎の尊敬が高まる中、別の刑事が2人に協力したいと過去に担当した強盗事件の情報を持ってくる。その事件の2か月後、お金を盗まれたショックで自殺した女性の孫娘がソラだった。