サブキャラクターが活きている
従業員は意味深で、親は倉庫の写真を撮り、若いカップルは何かを森に埋め、小説家と編集は、使いもしない大量の氷を確保するなど怪しい人物しか出てこない。
また看板が炎上したり、停電中に従業員が姿を消すなどヒヤヒヤさせる要素も盛り沢山だ。
オーナーの正体は”バジリスク”、従業員は”鮫島”に追われる被害者、仲睦まじい親子も実は潜入捜査官、カップルは実は”鮫島”の部下、小説家は”鮫島”の母親、編集は小説家に利用された駒であった。
しかも全員が自分の役職に甘んじず、個性あるキャラクターとして活き活きと描かれているのが良い。
ミステリーはトリックや物語の筋も大事だが、サブキャラクターが活きているからこそ杉下右京という極上の名探偵の活躍がより輝いて見えるのである。