野呂佳代の魅力爆発…“ネオ・コメディエンヌ”として愛されるワケ。『ザ・トラベルナース』第3話考察レビュー
text by 浜瀬将樹
ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)が放送中。手術場で医師を補助し、一定の医療行為ができる看護資格「NP」を持つ那須田歩(岡田将生)と、スーパーナースの九鬼静(中井貴一)の曲者コンビが命の現場で戦う。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・浜瀬将樹)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:浜瀬将樹】
1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。
経験を重ねることで魅力が増す野呂佳代
アイドルが俳優に転身し、演技の世界で活躍することは珍しくない。歴史をたどれば、誰もが知る大御所の俳優に「アイドル時代があった」なんて話も聞いたことがある。そんななか、独自の道を切り開き、俳優として大成している元アイドルがいる。野呂佳代だ。
AKB48を卒業後、紆余曲折ありながらも『ゴッドタン』(テレ東系)や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)などで才能を発揮し、バラエティー女王の道を歩んでいた彼女。当初は、ドラマに出たとしてもインパクトのある役(なかやまきんに君演じる男に殺害される役!?)が多く、イジられることも多かった。
このままバラエティー路線でいくのか…と思われたが、その演技力の高さと圧倒的な存在感を武器に、近年では『ブラッシュアップライフ』(2023、日本テレビ系)、『アンメット ある脳外科医の日記』(2024、カンテレ・フジテレビ系)、『西園寺さんは家事をしない』(2024、TBS系)、さらにはNHK大河ドラマ『光る君へ』(2024)に出演。年齢や経験を重ねていくなかで、さらに魅力が増していき、唯一無二の俳優となった。
元アイドルの俳優は主役を演じたり、個性派になったり、バイプレイヤーとして異彩を放ったりとさまざまな椅子に座っていくが、三枚目に振り切れる野呂はコメディエンヌとしてのポジションを築いたように感じる。そんな彼女のメイン回となったのが、『ザ・トラベルナース』第3話である。