「都合のいい人」鳩山との対比
雉谷は社会人として大事なことを教わることができる一方、残酷な現実も突きつけてくる。雉谷は仕事ができるが、出世を望んでいるわけではない。それは理不尽な会社という組織に期待をせず、頑張っても報われることはないとわかっているから。
確かに出世すれば給料も増えるし、周囲からは尊敬もされるかもしれない。しかし同時に、人から疎まれることも多くなり、揉め事に巻き込まれるリスクも高くなる。雉谷はそれらを天秤にかけ、あきらめと悟りの境地に至ったのだろう。
また、印象的だったのが鳩山との対比。すでに第2話でも描かれているように鳩山は社内で「都合のいい人」となってしまっており、第4話でも社内運動会の仕切りという厄介な役回りを任されている。
それ以外にも新入社員の鶸田(塩野瑛久)のことを心配したり、会社のためや周りの人間のために動く姿は度々見られている。そんな鳩山を雉谷は尊敬していると認めつつ、なりたくないとも明かす。社会の世知辛い現実を映像として見ているようで、胸が苦しくなった人も少なくないだろう。