鷹野が取引相手に「プレゼン聞きたい人この指とーまれ」
雉谷は「会社にドラマチックを求めない」と言い放ったが、『無能の鷹』はあくまでもドラマだ。最後に極上のエンターテイメントが待ち受けている。雉谷、鶸田とともに新たな案件獲得のため、鷹野ツメ子(菜々緒)は営業に同席する。
鳩山の涙ぐましい努力の末、やっとの思いで打ち合わせまでこぎつけたわけだが、鷹野がまたも暴走を見せる。一度、出直したい雉谷と鶸田に対し、すべてのジェスチャーを勘違いした鷹野は相手の社長に対して「往復ビンタしますよ」と切り出し、「プレゼン聞きたい人この指とーまれ」と突っ走る。
もはや鷹野は仕事ができる、できないの次元には存在していないことを改めて痛感させられるわけだが、驚異的なすれ違いっぷりに自然と笑みがこぼれてしまう。しかし、この鷹野の言動がまたも奇跡を呼び、新規案件の獲得に至るのだった。
結末はもちろんドラマならではだが、雉谷同様に社内のことを考えすぎたり、あるいは世渡りが得意すぎて追い詰められていく人はきっとどこかにいるだろう。
勤務中も猫の動画だけを見るような働き方を自ら許容できる鷹野のような人間はなかなかいないはずだが、世の中の社会人は心のどこかに鷹野を住まわせてみると、もう少し楽に働くことができるのではないか。そんな空想さえ捗る第4話となっていた。
(文・まっつ)
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