愛生はなぜ、生きていることを隠しているのか?
牧村(齋藤飛鳥)や寅吉(でんでん)、貞本(岡崎体育)を巻き込んでのサプライズパーティーは見事に大成功。美路人がつくってくれた三角帽子と、美路人が買ってきてくれた“ライオンの色”の花束、寅吉特製のマヨネーズ料理に、ライオンの笑顔が弾けた。
「子どもの笑顔は無敵よな。俺たち大人が守ってやらないと」
そんな貞本の何気ない言葉が、洸人の手を里親制度のパンフレットへと誘ったとき、週刊誌記者の工藤(桜井ユキ)から連絡が入る。彼女によれば、見つかった遺体は愛生とはDNAが一致せず、最近、愛生を見かけた人もいるという。
工藤は橘親子の一件を、ただの行方不明事件ではないと考えているらしい。
ここまででわかっていることを整理してみよう。川で見つかった衣類には愛生の血痕が付着していたが、遺体は愛生のものではく、彼女はどうやらキャバクラのようなところで働いている。都会に立つビルの非常階段らしきところでタバコの煙をくゆらせる姿は、洸人の回想シーンに生きる愛生の像と一致する。
背後にちらつくのは、やはりX(岡山天音)の存在だ。Xは「消してください」など不穏な言葉の書かれたメールを多数受け取っていた。人探しや殺人、なんでもござれの便利屋のようなことをしていると考えられる。愛生が家の近くで一緒にいたとされる若い男=Xと考えるなら、この失踪は愛生が依頼し、Xが画を描いたものだろうか。