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それぞれの心の中に潜む”モンスター”

『モンスター』第4話 ©カンテレ
『モンスター』第4話 ©カンテレ

 そもそも、訴訟を起こした部員たちにも下心があった。それに、彼らは彼らでサッカー部が潰れるのは困るのだ。名門サッカー部に所属していた実績は就活のときに役立つ。今の厳しい練習が見直されたらいい、訴訟によってまとまったお金が入ったら嬉しい…。

 だからと言って「体罰に苦しんでの訴訟」ではないとも言い切れない。何が正しくて何が間違っているのか…厳しい練習は体罰ではないのか?

 作中では「そもそも体罰ってなんなんです?」と杉浦が問いかけている。「体罰」とは時代によっても、個人の受け取り方によっても変わってくる。

 アウトのラインを見定めるのは難しい。確実に暴力を振るった証拠があれば別だが、グレーなものもある。

「グレーなものをわざわざ体罰と言った」のか「体罰とは言い難いグレーなラインをわざわざ狙った」のか。主観ではないか、と言われるとそうかもしれないが、だからこそ立証が難しい。

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