パンピー代表「マルコ」目線の1995年カルチャー
「95」のチームの中で、唯一明るい「パンピー(一般人)」の感覚を持つのが、マルコ(細田佳央太)である。名付けて癒しの金髪。
マルコが第7話で「(浄化作戦と関係なく)普通に渋谷を歩こう」と秋久とドヨンを誘うシーンは本鬱展開待ったなし状態だった後半、久々にほっこりした。
マルコの道案内で見えてくるのは、当時の渋谷カルチャー。服を買うのはビームス、CDを買うならタワレコ。アツいのは小室プロデュース楽曲。1995年冬は、ちょうど華原朋美が2ndシングル「I BELIEVE」がスマッシュヒットし、話題になりだした時期である。
さらに、当時ナイキから発売され爆発的人気となっていた「エアマックス95」の映像もチラリと映っていた。あまりの人気に購入者を路上で襲い、商品を奪い取る「エアマックス狩り」という強奪事件まで起きていたほどだ。きっと翔たちは渋谷浄化作戦で、エアマックス狩りの犯人をボコボコにしたこともあったはず……。
マルコを演じている細田佳央太は、高橋とはまた違った天才肌である。私は彼のデビュー作である映画『町田くんの世界』(2019)で度肝を抜かれた一人だが、あの時感じた、どんな設定もアリにしてしまう天真爛漫なイメージは今でも薄れていない。妖精っぽいというか、透明感がすごい。