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完璧なアリバイに潜む闇

『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第5話 ©フジテレビ
『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第5話 ©フジテレビ

 ホステス殺人事件の真犯人として捜査線上に浮かび上がったのは、テレビで活躍するMCタレント・鴻上正宗(袴田吉彦)。壮太は、現場で鴻上の声を聞いており、あとは裏付けを取るだけだったが、鴻上は犯行時刻、生放送に出演していたという絶対的なアリバイがあった。

 しかし、鴻上の手首には、事件の日に不破利己(杉野遥亮)を襲った“フードの男”と同じ火傷のような傷跡がある。視聴者からすれば鴻上が犯人であることは明白なのだが、証拠がなければ警察は納得しない。

 そこで飛鷹と不破はまたもや捏造を繰り返し、事件を解決へと導いていく。不破が事件当時着ていたシャツに鴻上のDNAを付着させ、“フードの男”=鴻上であると証明してみせたのだ。

 事件が解決した後、壮太は一緒に暮らしていた不破のもとを離れ、新山についていくことに。その際、不破は壮太に母親の美佳が最期に残した言葉を伝える。「壮太を愛してい
る」「空からあなたの幸せを祈っている」と。

 実をいえば、美佳はこのような言葉を告げてはいない。虐待はしていたものの、壮太への愛情をしっかりと持っていた美佳ならきっとこう言った。美佳の気持ちを汲んだ、不破の“優しい捏造”だったのだ。

 不破は、たとえ捏造でも壮太が前を向けるならいいと考えた。不破の中で、飛鷹の言う“正義”が腑に落ちた瞬間だったようにも思う。今回の事件解決をきっかけに、“千寿さん”“利己”呼びに変わった凸凹バディ。彼らの躍進が、今後も楽しみで仕方がない。

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