ドラマ史上に残る名演技も…総理大臣の社会見学『民王R』に背中を押されるワケ。 考察レビュー
text by 田中稲
遠藤憲一が主演を務めるドラマ『民王R』(テレビ朝日系)。総理大臣が全国民を対象に、心と体が入れ替わる痛快政治エンターテインメントだ。老若男女問わず入れ替わってしまう主人公・泰山とそれを支える個性的キャストが織りなす本作のレビューをお届けする。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:田中稲】
ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。
意外なほど面白い!
遠藤憲一、一世一代の挑戦
今回の入れ替わりは全国民――。極小マイクロチップのそうくるか、大風呂敷広げたなあと突っ込みたくなる「民王R」の設定。どうするのか、我らが武藤泰山、大変な挑戦だぞ、演じる遠藤憲一!
しかし、意外なほど面白い。安定の包容力官房長官カリヤン(金田明夫)、愛され度がゆるキャラの域に入った書生:田中丸(大橋和也)、毒舌の秘書冴島(あの)、神出鬼没&子育て中、リモートでは宇宙の壁紙で怪しさが一層増す公安・新⤴︎田(山内圭哉)。ガラスのメンタルだが情報力は抜群の、(自称)コードネーム:キャット、猫田(山時聡真)――。
個性的な面々に支えられ、泰山は、闇バイトの青年、保育園の園児5歳、と入れ替わりをし、乗り越え、支持率を上げている。ミラクルな団体戦、第2話、第3話をさっそく振り返ってみよう。