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泰山を演じきった子役に驚愕! 第3話

『民王R』第3話©テレビ朝日
『民王R』第3話©テレビ朝日

 第3話は再選を果たしたバーガー大統領との会談直前という最悪のタイミングで、まだ政治のセの字も知らない、5歳児・信太君(吉本凪沙)と入れ替わる。

 しかし、幼児の目線で見える世界(保育園の人間関係、ままごと、お母さんへの気遣い)は小さな社会! 彼だけでなく、彼を見守る保育士さん、そしてシングルマザーとして育てる母親の苦労も細かく描かれていた。
 
「寂しいけど寂しくないもん。寂しいって言ったらお母さん困るから」

 母親も、子どもがそうやって我慢しているのは充分わかっている。それでも時間のやりくりは難しい。楽しみにしていたショートケーキさえも食べるタイミングがずれてしまうシーンは、本当に切なかった。

 思いだしてみれば、前作『民王』でも、泰山と息子の翔が入れ替わり中、ウズラスキスタンの大統領・ガードナー氏との重要な外交が行われ(第2話)、ガードナー氏が心を開くきっかけとなったのが、アニメ「モフモフン」だ。今回のバーガー大統領も、ロボットに喜び、童心に戻ることで外交がうまくいった。

 もちろん、リアルでこんなことはあるわけない。けれど、大人が難しく考え過ぎているだけで、実は意外とシンプルなきっかけで心が通じるかもしれない、と希望を持ってしまう。

 子どもだけでなく、子どもを取り巻く親や職場の環境も細やかに描き、いろいろ考えさせられた第3話。ただ、これを成り立たせるには、エンケンを完璧に演じる5歳児が必要なので、いやもう、キャスティングに困ったのではないだろうか。…と思いきや、見事泰山をやりきった吉本凪沙、天才である。

 保育園に公安の新田が現れたときの、彼が見せたチビ泰山のドヤ顔は、今後ドラマ史上に残る名演技として語り継がれてもいいだろう。

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