加納を演じた山口馬木也が熱演
シーズン18「オマエニツミハ」(第11話)で右京は悪人と善人の人質がいる中、どちらを救うか選べという究極の選択肢を突きつけられた事がある。そこで右京は迷わずに「殺すなら自分を殺せ」と啖呵を切った。
警察官として常に命懸けで覚悟が決まっている杉下右京だが、既に巻き込まれて死者が出ている毒キノコの胞子を吸って自分の身体で実験しようというのは余りにも無茶苦茶である。
雷光雷鳴が轟く中で亀山に呼び戻されて生還した杉下右京だが、個人的には盟友であり宿命の相手である、小野田公顕が死を防いでくれたのではないかとも妄想してしまう。
「2つの顔」を持つのはペスタロチオプシス・トニトルスだけではない。被害者の加納は恐喝や暴行などでヤクザな生活をしていた危険人物だが、実は別れた子どものために美しい地球を残したいという想いの持ち主であり、善と悪の2つの顔を使い分けていた。
人間は誰しも、友人や家族、職場と恋人など過ごす環境によって、2つかそれ以上の顔を持って生きている。ペスタロチオプシス・トニトルスがそうであるように、人間も善性悪性の両方を内包している。昨今の闇バイト事件にもあるように自身の悪性に負けぬよう、日々精進と努力を行い続けなくてはならない。
因みに加納を演じた山口馬木也は話題作『侍タイムスリッパー』の主演を務めている。『相棒』の加納だけでなく山口の別の顔も堪能しようと思う。
(文・Naoki)
【関連記事】
【写真】『相棒』史上最も右京が死にかけた神回…。貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『相棒 season23』劇中カット一覧
『相棒』史上最高の神回は…? 約400話の中で最も面白いエピソード5選【亀山薫編】シリーズの歴史に残る傑作をセレクト
杉下右京を最も苦しめた犯人は? 『相棒』史上最強の敵キャラ5選。悪は人を魅了する…神回となったサイコパスとの攻防を解説
【了】