心の機微をていねいに演じる玉森裕太の芝居
第4話、5話と進むにつれて、海里に降りかかった出来事が明らかになっていく。悲しみや、悔やんでも悔やみきれない過去…そして再び荒んでしまう海里。しかし、第5話の終盤、ほこ美の温かい心に触れ、まるで大きな氷の塊が溶けていくかのように、たまらず涙を流していた。
ボクシングはパンチの強さだけで戦うのではなく、持久力、そして精神力も試される。涙のシーンからは、元ボクサーの海里がどれほどものを一人背負って生きてきたのか、その重みが伝わってくるようだった。物語が深まっていくのに連動して、玉森の演技にも拍車がかかり、心の機微をていねいに、ごく自然に表現している。
ほこ美が現れたことで、海里が固く封印していた扉が少しずつ開かれていくようで、単なる“クズ”ではない海里の魅力が少しずつ明らかに。序盤で羽根木ゆい(岡崎紗絵)から「あいつには関わらない方がいい」と言われていたのが懐かしい。
奈緒が見せる親しみやすいキャラクターとコミカルな表情。それに対して、玉森の繊細な表情の変化で見せるキャラクターとの対比も、本作の見ごたえにつながっている。
物語は早くも後半戦に差し掛かっている。ここから、ほこ美や海里がどんな方向へと進むのか。きっと玉森の演技も凄みを増していくに違いない。
(文・柚月裕実)
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