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パソコンの不具合を恋愛問題と勘違い

『無能の鷹』第5話 ©テレビ朝日
『無能の鷹』第5話 ©テレビ朝日

 妻・亜矢子(中島ひろ子)や娘、息子からも相手にされず、家庭にも問題を抱える朱雀部長が一歩前に進むのもそうした自分を見つめ直そうと考えたから。パソコンがフリーズした朱雀は、開発部である鵙尾(土居志央梨)に電話をかけようと決意。しかし、下手には出たくないというプライドが邪魔をし、鷹野ツメ子(菜々緒)の伝言という形で電話がつながる。

 しかし、実際につながっていたのは鵙尾ではなく、純喫茶《MOZU》のママ・百舌子(渡辺えり)だった。パソコンの相談をする朱雀と、恋愛相談だと思い込むママ。

 さらに、鷹野のポンコツぶりも相まって今週も見事なすれ違いっぷりが見られ、『無能の鷹』がコメディだったことを思い出させてくれる。

そんな、何のこともないコメディでありながら、開発部・部長の鴫石(安藤玉恵)が勇気を出して朱雀に伝えた言葉は響くものがある。

「何かしてもらったら『ありがとう』」
「迷惑をかけたら『ごめんなさい』」
「たとえ相手が年下でもたとえ自分のほうが立場が偉くても、人として最低限のマナーは守るべき」

 これらは当たり前のことだし、子供でさえ幼稚園・保育園に入るまでには親から教わること。同時に、歳を取り、上の立場になる者として忘れてはならないことで、朱雀が鶸田(塩野瑛久)に「ありがとう」と伝えるシーンは不思議な感動を呼ぶ。

 直後、社内は一瞬の感動に包まれ、すぐによく考えたら普通のことだと落ち着く流れはリアルでありながら、笑いを誘う。

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